JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-AE 天文学・太陽系外天体

[P-AE22] 系外惑星

コンビーナ:生駒 大洋(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻)、成田 憲保(東京大学)、藤井 友香(国立天文台)

[PAE22-P02] M型、K型星周りの系外惑星の酸素大気検出に向けた大気および観測のシミュレーション

*村岡 徹1長田 直也1亀田 真吾1村上 豪2成田 憲保3生駒 大洋4藤原 均5 (1.立教大学、2.宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所、3.国立天文台、4.東京大学、5.成蹊大学)

キーワード:系外惑星大気、トランジット分光観測

これまでに4000以上もの系外惑星が発見されており、近年ではKeplerやTESSなどの活躍により、M型、K型の低質量・低温度星まわりのハビタブルゾーン(HZ)に存在する地球型惑星に対する研究が進められている。
そのような生命の存在できる可能性のある系外惑星を特徴づけるために、トランジット分光観測による惑星大気中元素の検出が求められている。しかしながら、水素などを除く大気中元素は、惑星に対する分布の小ささがその検出難易度を上げている。
地球型惑星が多く発見されているM型、K型星は活動が比較的活発である。したがって、そのような星のHZに位置する惑星は紫外領域の放射を地球よりはるかに強く受けることとなる。さらに、惑星が「二酸化炭素が少なく酸素が豊富(Earth-like)」な大気を持っていた場合、酸素大気は電離熱・解離熱などで加熱され、非常に高高度まで膨張すると考えられている[Kulikov et al., 2007, Tian et al., 2008b]。
一方、World Space Observatory-UV(WSO-UV)は現在ロシアが計画中の紫外線宇宙望遠鏡であり、2025年に打ち上げ予定である。この計画の主な科学目的として、高UV環境下での系外惑星大気の研究が挙げられている。
本研究では、まず実際に発見されているM,K型星のHZに地球を配置した場合の外圏酸素大気シミュレーションを行い、惑星の周りの酸素原子の広がりを見積もった。続いて、そのときの酸素原子検出効率を、WSO-UVによるトランジット分光観測をシミュレーションすることで計算し、系外惑星大気の酸素検出可能性を考察した。