JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG25] 惑星大気圏・電磁圏

コンビーナ:関 華奈子(東京大学大学院理学系研究科)、今村 剛(東京大学大学院 新領域創成科学研究科)、前澤 裕之(大阪府立大学大学院理学系研究科物理科学科)、寺田 直樹(東北大学大学院理学研究科)

[PCG25-P03] 大気大循環モデルを用いた惑星大気気候のパラメータ実験

*林 祥介1高橋 芳幸1石渡 正樹2中島 健介3はしもと じょーじ4 (1.神戸大学・大学院理学研究科 惑星学専攻/惑星科学研究センター(CPS)、2.北海道大学大学院理学院宇宙理学専攻、3.九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門、4.岡山大学理学部地球科学科)

キーワード:系外惑星、気候、自転軸傾斜角、自転周期、惑星半径

系外惑星の探究において興味深い問の一つは表層環境や大気循環の可能な多様性を探ることである。このような問題に対する知見の集積を目指して、我々は大気大循環モデルの開発を進め、パラメタ実験を行ってきた。

本研究で使うモデルは、地球流体電脳倶楽部として開発している汎惑星大気モデル DCPAM (http://www.gfd-dennou.org/library/dcpam/) である。モデルは、いわゆるプリミティブ方程式系(静水圧近似された大気)に従う力学コアを用い、放射、乱流混合、水蒸気過程などの物理パラメタリゼーションを実装している。本研究では、我々の地球大気と同じ主組成・質量の大気が、地球と同じ表層重力の惑星に置かれ、地球と同じ太陽定数で照らされているものとし、自転軸傾斜角、自転周期、惑星半径の依存性を調べる実験を行った。用いたパラメタ値は、自転軸傾斜角が 0、23.4、60、90 度、自転周期が 1、3、10、30 地球日、そして、惑星半径は 6371、4247、3186 kmである。計算はこのすべての組み合わせに関して行ったわけではなく、現在地球での値からそれぞれを個別に変化させた計算を行った。

実験により、いくつかの興味深い特徴が見いだされた。例えば、平均子午面循環の自転周期依存性である。自転周期を長くするとハドレー循環の幅が大きくなり、結果として、フェレル循環が消滅する。我々の実験では、自転周期10地球日以上にするとフェレル循環が見いだせなくなった。その他の興味深い特徴も含め、発表では詳述する。