[PCG27-07] アモルファスH2O, CO, CO2の結晶化によるダスト上での不均質な多面体氷結晶の生成
キーワード:アモルファス氷、結晶化、多面体
微粒子および微粒子集合体の衝突・付着・破壊は,微惑星の形成機構を議論する上で最も重要な素過程のひとつである.これまでは,物質(珪酸塩,炭素質物質,有機物,氷)や結晶性(結晶,アモルファス)にかかわらず微粒子はすべて球形と仮定されてきた.この描像を確かめるために,本研究では,氷(H2O, CO2, CO)に着目して,アモルファス氷(a-H2O, a-CO2, a-CO)が結晶化する過程を透過型電子顕微鏡でその場観察した.その結果,a-H2O, a-COでは,一様な薄膜だったアモルファス氷は結晶化に伴い,島状に変化することが明らかになった.さらに,Ostwald reipening により結晶数が減るとともに結晶の粗大化が起こった.このような氷微粒子は,微粒子のコア物質表面に平坦な結晶面を持った多面体が1-2個付いて,コア物質が露出した構造になる.a-CO2では,結晶化後も微結晶の膜状のままであった.このように,氷組成に応じて結晶の形態が大きく異なるので,これまでの衝突・付着・破壊,焼結モデルの適用に関しては適切な評価が必要になる.さらに,星間分子雲でも,COは結晶化するので,マントル状ではなくなり,各種分子の非熱的蒸発が同時に起こりえる.