JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM17] 宇宙天気・宇宙気候

コンビーナ:片岡 龍峰(国立極地研究所)、Antti A Pulkkinen(NASA Goddard Space Flight Center)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、坂口 歌織(情報通信研究機構)

[PEM17-P22] MAGDAS9システムの10Hzデータによる、Pc2脈動の全球的発生分布特性解明

*樺澤 大生1吉川 顕正2魚住 禎司3藤本 晶子4阿部 修司3 (1.九州大学、2.九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門、3.九州大学国際宇宙天気科学・教育センター、4.九州工業大学大学院情報工学研究院)

キーワード:Pc2脈動、EMIC波動、全球結合

地上の磁場は磁気嵐やオーロラ嵐等の宇宙天気現象の影響を受け,日々変化し続けている。地磁気変動現象のうち,変動周期が約数秒~1000秒程度の周期性を持つ磁場擾乱現象は古くから知られており,地磁気脈動と総称される。Pc2脈動は地磁気脈動の中でもその変動周期が5-10秒の比較的高周波な地磁気脈動であり,近年の研究により磁気擾乱時に活性化されたO+の高エネルギー化に伴うEMIC波動として内部磁気圏で観測されることが示されている。
 我々は九州大学が展開する地上多点磁場観測ネットワーク(MAGDAS)で取得した磁場の10Hzデータ解析の初期結果として,ストーム中のサブストーム時に,衛星で観測されるPc2帯脈動が高緯度から低緯度までグローバルに観測されることを確認している。また,グローバルに観測されるPc2帯脈動は6LTと11-15LTの主に昼間側に多く見られ,3-7月間に多く分布するといった地方時分布と季節依存性を確認した。これは先行研究で報告されてきたPc1脈動の発生特性とは異なる結果である。
 本講演ではこのようなPc2脈動に関する発生特性を報告するとともに,FM-CWデータやイオノゾンデのデータとの比較による電離層構造変化との関連性,PWINGによる高緯度地域でのPc1発生特性,ERG衛星による宙空環境でのEMIC発生特性の同時解析等,包括的なアプローチによる内部磁気圏ー高緯度ー中低緯度ー磁気赤道面領域結合過程解明の研究アプローチについても議論する予定である。