[PPS06-01] 2020年代の日本の金星探査
★招待講演
キーワード:金星、探査、ラグランジュ点
あかつきは2010年に打ち上げられた日本初の金星軌道周回衛星で、2015年の金星軌道投入(VOI)以来、搭載カメラで多くの画像が撮影されている。低・中高度の夜側半球の雲をIR2近赤外カメラで撮像し、昼間の上層雲をUVI紫外撮像装置で撮像し、雲頂温度分布をLIR赤外カメラで撮像した。UVIとLIRは軌道投入から4年間動作しているが、IR2は制御機器の故障のため軌道投入から1年間後に観測を停止した。そのため、UVI、LIRとIR2画像の総数はそれぞれ17,306枚、31,444枚、3,201枚である。異なる高度、異なる現地時間、異なる緯度でのあかつきの観測により、我々は金星大気の力学の理解に近づいたが、低及び中高度雲のデータ数は十分ではないと言わざるを得ない。金星への次のミッションを計画し、金星の大気のより多くの情報を得る必要がある。ロシアはベネラDミッションを計画しているおり、ヨーロッパの科学者はESAにEnVisionミッションを提案している。これらがすべて実現すれば国際金星大観測網が形成される。
金星中心から昼と夜の約100万kmに位置する金星のラグランジュポイントに2つの小型探査機を投入することを検討している。この考えはLimaye and Kovalenko [2019]1から借り受けている。ラグランジュ1 (2) 点からは、日側(夜間)半球が常に観測される。リサージュ軌道の半径は投入に必要なデルタVに依存する。観測位相角を25度と仮定し、金星への軌道マヌーバとL1 (2) リサージュ軌道投入に必要なΔVを720m/sと推定した。
例えばJAXAのイプシロンロケットは、金星に200~250kgの質量を打ち上げ可能と予想されており、一つの探査機重量は約100kgである。上記ΔVの燃料(一液)は36kgと推定される。科学ペイロードのために10kgを仮定すれば、残りの54kgは推進、通信などを含むバスシステムのために使用できる。他のロケットによる打ち上げ可能性も検討すべきである。
講演では今後の金星科学のフォローアップや、今後のミッションプラン(打ち上げロケット、軌道投入、プローブシステムなど)の詳細について発表する。
参照
1. Monitoring Venus and communications relay from Lagrange Points, Limaye and Kovalenko, Planetary and Space Science 2019, https://doi.org/10.1016/j.pss.2019.104710
金星中心から昼と夜の約100万kmに位置する金星のラグランジュポイントに2つの小型探査機を投入することを検討している。この考えはLimaye and Kovalenko [2019]1から借り受けている。ラグランジュ1 (2) 点からは、日側(夜間)半球が常に観測される。リサージュ軌道の半径は投入に必要なデルタVに依存する。観測位相角を25度と仮定し、金星への軌道マヌーバとL1 (2) リサージュ軌道投入に必要なΔVを720m/sと推定した。
例えばJAXAのイプシロンロケットは、金星に200~250kgの質量を打ち上げ可能と予想されており、一つの探査機重量は約100kgである。上記ΔVの燃料(一液)は36kgと推定される。科学ペイロードのために10kgを仮定すれば、残りの54kgは推進、通信などを含むバスシステムのために使用できる。他のロケットによる打ち上げ可能性も検討すべきである。
講演では今後の金星科学のフォローアップや、今後のミッションプラン(打ち上げロケット、軌道投入、プローブシステムなど)の詳細について発表する。
参照
1. Monitoring Venus and communications relay from Lagrange Points, Limaye and Kovalenko, Planetary and Space Science 2019, https://doi.org/10.1016/j.pss.2019.104710