[PPS09-P18] 木星氷衛星におけるnon-H2O iceの探索:地上望遠鏡による可視観測
キーワード:ガリレオ衛星、地上観測
太陽系の巨大惑星やそれ以遠の領域にある固体天体はあまねく、その表面が固体H2Oを主体とした氷で覆われており、氷天体と呼ばれる。氷天体には、固体H2O以外の氷が共存するものも多い。例えば土星系の衛星にはCH4やNH3が存在し、海王星系のトリトンや冥王星ではN2やCOの氷なども見られる。対して、木星系の氷衛星ではその兆候が乏しい。ガリレオ探査機に搭載された近赤外分光計NIMSの観測によれば、ガニメデやカリストにおいてCO2の存在が示唆されているものの、その起源(内因性か外部由来か)は定かではない。これらの様々な揮発性物質は、第一近似的には揮発性の高い物質ほど太陽から遠い天体に存在しているように見えることから、太陽系形成時の温度環境や各物質の凝結温度、いわゆるスノーラインと、各惑星系が形成した場所の位置との関係などを探る鍵になるかもしれない。
北海道大学大学院理学研究院附属天文台(北緯44.4°、東経142.5°)は北海道名寄市にあり、地上望遠鏡(ピリカ望遠鏡)を所有している。ピリカ望遠鏡とその搭載観測装置は、惑星を優先的に観測することを目的として2011年に本格運用を開始した。主鏡口径は1.6 mであり、その大きさは惑星観測用の望遠鏡としては世界最大級である。ピリカ望遠鏡のカセグレン焦点には、本研究院宇宙惑星グループによって開発されたスペクトル撮像装置MSI (350-1050 nm)が搭載されている。我々は木星系におけるnon-H2O iceの有無に焦点を当て、大学の望遠鏡が持つ豊富な観測時間を活かして、エウロパ・ガニメデ・カリストの継続観測を行った。本講演ではその捜査報告を行う。
北海道大学大学院理学研究院附属天文台(北緯44.4°、東経142.5°)は北海道名寄市にあり、地上望遠鏡(ピリカ望遠鏡)を所有している。ピリカ望遠鏡とその搭載観測装置は、惑星を優先的に観測することを目的として2011年に本格運用を開始した。主鏡口径は1.6 mであり、その大きさは惑星観測用の望遠鏡としては世界最大級である。ピリカ望遠鏡のカセグレン焦点には、本研究院宇宙惑星グループによって開発されたスペクトル撮像装置MSI (350-1050 nm)が搭載されている。我々は木星系におけるnon-H2O iceの有無に焦点を当て、大学の望遠鏡が持つ豊富な観測時間を活かして、エウロパ・ガニメデ・カリストの継続観測を行った。本講演ではその捜査報告を行う。