JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG67] 地殻流体と地殻変動

コンビーナ:北川 有一(産業技術総合研究所地質調査総合センター地震地下水研究グループ)、小泉 尚嗣(滋賀県立大学環境科学部)、梅田 浩司(弘前大学大学院理工学研究科)、角森 史昭(東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設)

[SCG67-03] 瑞浪超深地層研究所立坑埋戻しに伴う予想される岩盤内応力変動の観測

*浅井 康広1石井 紘1 (1.公益財団法人 地震予知総合研究振興会 東濃地震科学研究所)

キーワード:瑞浪超深地層研究所の埋戻し、岩盤内の応力変化、間隙水圧変化

瑞浪超深地層研究所(MIU)の坑道および立坑の埋戻しが2020年2月より開始された。2020年から2021年にかけて、深度500m深度の水平坑道から埋め戻しが行われ、順次立坑および100m毎の水平坑道が埋め戻される(日本原子力機構,2020)。これまでMIUの掘削による約700m3/日の地下水汲み上げによって、MIUおよびその周辺では地下水位・間隙水圧の低下や地盤の沈降などが観測されている。例えばMIUの南500mに位置するTGR350孔では地下水位が立坑掘削以前より約50mの低下が観測され、立坑近傍の地点では2004年から2012年にかけての8年間で18㎜の地盤沈下が生じている。MIUの埋め戻しが本格化し、MIU坑道内からの地下水汲み上げが減少することによって、MIUおよびその周辺の岩盤中における間隙水圧がMIU掘削以前の状態へ回復すると予想される。

 東濃地震科学研究所では、MIUの埋め戻し中~埋め戻し後の間隙水圧変化に伴う岩盤内応力変化を観測する目的で、2019年11月~12月に、立坑内ボアホール観測点STG500(深度500m)およびSTG200N観測点(深度200m)の電源・信号ケーブルを地上へ延長し、観測体制を整えた。

 5月末の講演時には、MIUの深度500mレベルの埋め戻しが行われていると予想される。講演では、埋戻し中のSTG500Nの水圧および石井式ボアホール応力計記録と解析結果の紹介と議論を行う予定である。