[SCG69-P08] 非定常な歪速度に対する粘弾性流体の応答と破壊
火山噴火におけるマグマ破砕のように、物質の流動から固体的な破壊への遷移は,固体地球現象のモデリングにおいて重要かつ未解明の現象である。近年、ソフトマター物理学の分野で、流体の破壊現象についての新しい実験結果が発表され、急速に研究が進展しつつある(例えば Tabuteau et al., 2011, Soft Matt.)。粘弾性体が破壊に至る過程では、著しく非定常かつ大きな変形挙動を伴うため、通常の測定(定常変形下での粘性率や微小振動下での粘弾性応答)から得た物性ではうまく表現できない(Arora et al., 2017, J. Rheol.)、という問題が提起されている。
我々は流動状態にある物質が変形速度の増加や物性の変化によって固体的に破壊する現象に注目し、粘弾性効果の観察しやすいソフトマター材料を用いて実験を開始した。
実験試料としては、CpClマイクロエマルジョンをポリエチレングリコールで架橋したゲル(Filali et al., 1999, JPhysChem, 石川・他, 2019, JPS abst.)を合成した。回転式レオメーターを用いて、直径25mmのコーンプレートでの粘弾性測定の後、せん断歪み速度を一定の加速度(0.1, 1, 10, 100 s-2)で増加させるせん断試験を実施した。各歪み加速度での応答の違いを,線形マクスウェル粘弾性の解析解と比較した.その結果とともに、光弾性による破壊の可視化の結果も併せて紹介する。
我々は流動状態にある物質が変形速度の増加や物性の変化によって固体的に破壊する現象に注目し、粘弾性効果の観察しやすいソフトマター材料を用いて実験を開始した。
実験試料としては、CpClマイクロエマルジョンをポリエチレングリコールで架橋したゲル(Filali et al., 1999, JPhysChem, 石川・他, 2019, JPS abst.)を合成した。回転式レオメーターを用いて、直径25mmのコーンプレートでの粘弾性測定の後、せん断歪み速度を一定の加速度(0.1, 1, 10, 100 s-2)で増加させるせん断試験を実施した。各歪み加速度での応答の違いを,線形マクスウェル粘弾性の解析解と比較した.その結果とともに、光弾性による破壊の可視化の結果も併せて紹介する。