JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD02] 測地学

コンビーナ:松尾 功二(国土交通省国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、岡 大輔(地方独立行政法人北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所 )

[SGD02-09] Galileo衛星によるGEONET観測点の解析

*島田 誠一1 (1.東京大学大学院新領域創成科学研究科)

キーワード:ガリレオ衛星、GEONET、GAMIT/GLOBKプログラム

ガリレオ衛星及びGPS衛星を用いたGEONET観測網の観測データをGAMIT / GLOBKソフトウェアを使用して解析した.ガリレイ衛星の精密軌道はIGSのGMEX実験で得られており,公表されているCODE精密軌道を使用した.基準座標系としてはITRF2004を用いた.東アジア及びその周辺域のIGS点のうち,Altamimi et al.(2016)が座標値とその速度を精密決定していて,かつガリレオ衛星信号を受信している観測点は非常に限られており,そのようなIGS点14点を座標基準点として用いた.GAMIT / GLOBKプログラムの現在のバージョンでは,ガリレオ衛星の太陽放射圧力モデルとして十分の精度を持つモデルは採用されていないので,ガリレオ衛星を使用した解析の精度はGPS衛星を用いたものよりも劣る.2018年の年通算日300-309の10日間のガリレオ衛星を用いた予備的な解析結果では,GEONET観測網1276点の座標値再現性は,N-S成分が wrms 5.5 mm,E-W成分4.5 mm,U-D成分9.0 mmであった.一方,GPS衛星を用いた場合は,N-S成分のwrms 1.6 mm,E-W成分1.3 mm,U-D成分3.5 mmであった.したがって,GPSとGalileo衛星との両方を用いたGEONET観測点の座標値解の再現性はほとんど向上しておらず,N-S成分のwrms 2.7 mm,E-W成分2.0 mm,U-D成分3.7 mmであった.講演では,近い将来リリースされる予定の新しいバージョンのGAMIT / GLOBKプログラムに含まれる精度のよいGalileo衛星太陽圧力モデル(ECOMCモデル)を適用した解析結果,及び1年以上の期間の観測データを用いた解析結果を示す.