JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-IT 地球内部科学・地球惑星テクトニクス

[S-IT25] Structure and Dynamics of Earth and Planetary Mantles

コンビーナ:芳野 極(岡山大学惑星物質研究所)、中川 貴司(香港大学地球科学専攻)、趙 大鵬(東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター)

[SIT25-P13] 特異値分解による地震波速度トモグラフィー

*蘇 濬1,2Houser Christine2John Hernlund2 (1.東京工業大学地球惑星科学系、2.地球生命研究所)

キーワード:SVD、トモグラフィー、逆問題

本研究では、トモグラフィーの逆問題解析について特異値分解(SVD)を使った解析結果と、従来の正則化最小二乗法を比較した。コンピュータの計算能力の向上とアルゴリズムの進歩によって、大規模密行列の逆問題解析も可能になった。我々は、特異値分解の次元削減法が、ただひとつのパラメータで、最小二乗法の正則化と類似しているトモグラフィーモデルを作成できることを明らかにした。

HSML06モデルで使われたIncorporated Research Institutions for Seismology Data Management Centerの1976年から2005年までの長周期地震記録でSVD法について検討した。従来の方法では、正則化パラメータを変更すると最初から計算する必要があるのは効率的ではない。一方、SVD法は特異値の採用数を増減することによりモデルを再構成することが可能である。なぜならば、特異値は構造の大きさと変動の空間波長を降順で示している。さらに最小二乗法で解析された構造を再構成するための特異値採用数の最小限によって、SVD法を評価する。計算に要する時間の短さと地球ダイナミクスにも応用される可変モデル解像度などの長所を持っているSVD法は、トモグラフィーに適切だと思われる。