JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-IT 地球内部科学・地球惑星テクトニクス

[S-IT26] 核ーマントルの相互作用と共進化

コンビーナ:太田 健二(東京工業大学理学院地球惑星科学系)、飯塚 毅(東京大学)、河合 研志(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、土屋 卓久(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)

[SIT26-P04] 内核の非等方成長に伴う外核中の流れとダイナモ

*竹広 真一1佐々木 洋平2 (1.京都大学数理解析研究所、2.摂南大学 理工学部 建築学科 (兼)基礎理工学機構)

キーワード:異方性、内核、核マントル境界

近年の地震波解析により, 内核内の地震波速度の東西不均一な分布が明らかにされ, 内核外核境界(ICB)での相変化が水平一様に生じてはいないという議論が提唱されるようになった. 内核の不均一成長の説明の試みのひとつとして, 相変化境界を伴う内核の自発的な不安定性により生じる横ずれ流れが提唱されている. その予測される速度は 5e-10 m/s 程度であり, 内核の年齢から推定される一様な成長速度よりも 1 桁大きい. もしも横ずれ流れが地球中心核で生じてているならば内核外核境界での相変化が一様に起きているのではなく, やはり方半球で固化, 他の半球で溶解していることを示唆する. しかしながら, 既存の地球磁場ダイナモの数値シミュレーションのほとんどが一様な浮力(軽成分組成あるいは温度)境界条件を ICB にて与えている.
そこで本研究では, ICB にて不均一な境界条件による外核中の流れとダイナモを調べるため, 回転球殻磁気流体ダイナモの数値実験を行う. さらに, 内核の回転の効果を導入しはダイナモと軽成分分布にどのように影響するかをみることにする.
数値モデルの支配方程式はブシネスク磁気流体のものである. 内外半径比を 0.35, エクマン数を 1e-4, 組成および磁気プラントル数を 1, 修正レイリー数を 0.075 と固定する. ICB での軽成分境界条件を, 一様とした場合および球面調和関数 Y_1^1 型の
分布を与える場合, さらに内核が超回転あるいは亜回転している場合について時間積分を行う.
その結果, ICB 一様境界条件および Y_1^1 型で内核が非回転の場合は磁場が生成維持される解が得られるが, 内核が回転する場合はどちらも磁場が減衰する. ICB 一様磁場境界条件での維持される磁場の分布は双極子型であるのに対し, Y_1^1 型の場合には動径磁場の強いスポットが局在する分布となる.