JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS04] 強震動・地震災害

コンビーナ:染井 一寛(一般財団法人地域地盤環境研究所)、松元 康広(株式会社構造計画研究所)

[SSS04-04] 北陸地方の津波浸水予測域での微動観測 ―石川県珠洲市での検討―

*大堀 道広1 (1.福井大学附属国際原子力工学研究所)

キーワード:微動観測、北陸地方、津波浸水予測域

太平洋側に比較して,日本海側はふだんから地震活動度が低く,津波被害の経験も少ないため現実感に乏しく,将来の地震や津波に関する防災教育を行うのが難しい面がある.こうした状況を打破するための手がかりを得るために,筆者らは,北陸3県(福井県,石川県,富山県)を対象に,津波の発生が懸念される3つの想定地震断層(若狭海丘列付近断層,能登半島北方沖断層,能登半島東方沖断層,いずれもM7.6)について津波シミュレーションを行った.対象領域全体の解析結果を俯瞰した後に,津波被害が特に甚大と可能性の高い地域として石川県珠洲市に着目した.また,津波に先立つ地震の揺れ(震度)やそれに伴う液状化現象の発生率を250mメッシュの微地形分類を用いた簡易評価法により算出したところ,津波による浸水が予想される沿岸低地部は地震による揺れや被害も大きくなる傾向があり,地震動予測を高度化するためにも地盤震動特性を把握する必要性が高いことがわかった.本研究では,珠洲市の津波浸水予想地域において,微動観測を実施し(単点観測約80箇所),地盤震動特性に関する基礎的な検討を行ったので,速報として報告を行う.末筆となりますが,本研究の一部は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の支援を受けました.記して謝意を表します.