JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS04] 強震動・地震災害

コンビーナ:染井 一寛(一般財団法人地域地盤環境研究所)、松元 康広(株式会社構造計画研究所)

[SSS04-05] 微動アレイ探査に基づく佐賀平野及び白石平野の速度構造

*吉見 雅行1重藤 迪子2神野 達夫2野間 亮佑2二宮 啓1 (1.産業技術総合研究所活断層・火山研究部門、2.九州大学人間環境学研究院)

キーワード:S波速度構造、位相速度、佐賀平野北縁断層帯、微動

佐賀平野は筑紫平野の中部、白石平野は筑紫平野の西部に位置する堆積平野である。これまで,微動アレイおよび単点微動観測により,佐賀平野では有明海に近づくほど基盤深度が低下し佐賀平野北縁断層の南で500m,沿岸部では深度1kmに達すること,佐賀平野北縁断層帯以南の佐賀平野では微動H/Vスペクトルの1H以下の帯域に明瞭なピークが見られこれが基盤深度に対応しそうなことが見出されてきた(吉見ほか,JpGU2019,吉見・重藤,地震学会2019)。ただし,微動アレイ探査は佐賀平野の既存P波反射法測線上および南延長部にあたる5地点で行われただけであり、S波速度構造はこれらの点でしか検討されていなかった。今回,最大半径1km程度の微動アレイ探査を佐賀平野と白石平野で追加したので報告する。追加観測地点は,佐賀平野西部にあたる佐賀市中心部,佐賀市南部,佐賀市西部,小城市,および白石平野の4箇所(1箇所はSAGH05)の計8地点である.観測には3成分の速度型微動計(東京測振SE-321、固有周期10秒)を用い,1箇所あたり1時間程度の観測を実施した。最小半径は2.3m〜20m,最大半径は510m〜1100mであり,1地点あたり5ないし6半径の4点アレイを設定した。観測日は2019年11月19日〜22日である。観測データをSPAC法にて解析し,位相速度を求め,各半径の位相速度を統合して観測位相速度とした。これらからGA探索により場所毎の1次元S波速度構造を求めた。佐賀平野西部の地下構造は佐賀平野中央部(反射測線沿い)と同様な傾向があった.詳細は発表で述べる。