JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS06] Active faults and Paleoseismology

コンビーナ:近藤 久雄(産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)、小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、大上 隆史(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、佐藤 善輝(産業技術総合研究所 地質情報研究部門 平野地質研究グループ)

[SSS06-P05] 中国地方西部に分布する活断層における水系の屈曲量

*吾妻 崇1 (1.国立研究開発法人産業技術総合研究所)

キーワード:活断層、平均変位速度、水系の屈曲

横ずれ断層の変位基準には水系や尾根の屈曲が用いられることが多いが、それらの形成年代を特定できないことから平均変位速度の算出は困難である。横ずれ断層の平均変位速度の推定方法の一つとして、断層で変位した水系の断層より上流の長さ(L)とその水系の横ずれ量(D)の関係を調べることが行われてきた。本発表では、中国地方に分布する活断層のうちで松田ほか(2004)の検討対象に含まれていなかった五日市断層、筒賀断層、地福断層、大原湖断層の4断層について上述したLとDのデータを集め、それらを検討した結果を報告する。これらの活断層はいずれも北東-南西走向の右横ずれ断層であるが、平均変位速度は不明とされている。それぞれの活断層の長さは、五日市断層が約27 km、筒賀断層が約58 km、地福断層が約27 km、大原湖断層が約42 kmである。水系の屈曲量および断層より上流の長さについては、既存の数値標高モデルのデータを用いて計測する。得られた結果は、中国地方の他の断層で得られた侵食速度に関する情報と併せて、横ずれ断層の平均変位速度を算出する研究の基礎資料とする。本研究は、文部科学省から受託した「活断層評価の高度化・効率化のための調査」の一部として調査を実施した。