[SSS11-P09] Pコ–ダ波の自己相関分析による 韓半島南部のモホ面の深度
キーワード:Moho discontinuity、P coda、autocorrelation
近年、モホ面のような地球内部の境界面で反射するP波の相を求める手法として提案された「Pコーダ波自己相関法」を用いて、韓半島南部のモホ面の深度の 推定を試みた。2010年から2017年の間に発生したマグニチュード5.5以上の遠地地震のPコーダ波の記録に対してスペクトルホワイトニングを実施し、その後自己相関分析と帯域フィルタを適用した。各遠地地震を用いて計算された自己相関関数をスタッキングし、ほぼ90個の観測点におけるモホ面構造を推定することができた。本研究で推定された韓半島南部のモホ面は北西部から南東部方向に深くなるが、南東部に発達している盆地(慶尙 盆地)下部のモホ面の深度は浅い傾向を示す。この結果はレシーバ関数や表面波の分散曲線を用いた既往の研究の結果と一致している。しかし、 韓半島の南西部では既往の研究で推定されたモホ面の深度と相違点があり、モホ面の深さが浅い地域が分布する。この地域は韓半島の南西部の沃川褶曲帯と嶺南陸塊の塊境界に沿って発達している湖南シア・ゾーンと一致している。 これらの結果は、韓半島の南西部のモホ面の深さはシア・ゾーンの発達史と関連していることを示唆している 。