JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS13] 地震活動

コンビーナ:吉田 康宏(気象庁気象大学校)

[SSS13-P01] b値の時空間変化監視機能の製作と地震活動との関連性に係る考察

*新原 俊樹1 (1.福岡管区気象台)

キーワード:東北地方太平洋沖地震、b値、可視化

地震の活動状況を示す指標の一つであるb値について、その空間分布の時間変化を可視化する機能により、東北地方太平洋沖地震の発生前に震源域付近のb値の空間分布図の1時間毎の時間変化を描画し、b値が低い領域が広がる様子を明らかにした。

また、本機能を用いて、1997年10月~2018年11月の期間に太平洋プレート境界付近及びフィリピン海プレート境界付近でそれぞれ発生した地震について、震源付近における地震発生直前のb値を算出し、各値の下で次に発生した地震の規模別頻度分布からあらためてb値を算出したところ、どちらの海域についても、あらためて算出したb値と地震発生直前のb値との間に相関係数0.7以上の正の相関が見られた。

これまで、東北地方太平洋沖地震や熊本地震など特定の事例について、地震発生前のb値の低下に関する報告がなされてきたが、本結果は、b値とその場所で次に発生する地震の規模との間の関係を明らかにしたものであり、b値の値が当該領域において次に発生する地震の規模の推測において参考となる可能性を示唆したものである。