JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS13] 地震活動

コンビーナ:吉田 康宏(気象庁気象大学校)

[SSS13-P07] 駿河湾における海底地震連続観測 ―屈折法地震探査で求められた速度構造による震源の再決定―

*中尾 凪佐1馬塲 久紀1西宮 隆仁2鶴我 佳代子3 (1.東海大学大学院海洋学研究科、2.気象庁気象研究所、3.東京海洋大学)

キーワード:駿河トラフ、地震活動、東海地震

2009年8月「静岡沖の地震(M6.5)」と2011年8月「駿河湾南西部の地震(M6.2)」の発生を契機に,東海大と気象研(MRI)では駿河湾石花海(せのうみ)周辺海域で,海底地震観測を開始し,駿河湾で発生する詳細な地震活動の調査を継続して行っている(例えば,馬塲ほか,2015).海底地震観測は,OBS観測点4箇所で,通常3ヶ月ごとにOBSの回収・設置を繰り返していて,現在も観測を継続している.

2016年,東京海洋大学「神鷹丸」によるAir-gun・OBSを用いた反射法・屈折法地震探査(Tsuruga et al., 2017)が実施された.4つの測線のうちH28-L04測線では,OBS観測点上を横切る駿河湾石花海西側で探査が行われた.

H28-L04測線は,4層構造が認められた.1層目の速度は1.8 km/sであり,2層目の速度は2.9 km/sであった.3層目の速度は4.7 km/sであり,石花海北碓北西で最も厚く,厚さが約3kmとなる.4層目の速度は5.1 km/sであり,北側に向かうに従って浅くなる傾向が見られた.

従来,震源決定で用いる速度構造モデルは,JMA2001(上野ほか,2002)による日本列島を平均化した速度構造を用いていたが,H28-L04測線で得られた速度構造を用いて震源決定の再計算を行った.
本発表では駿河湾で発生する地震活動の詳細について議論を行う.