[SSS14-P06] 新設されたGNSS観測点を用いた琉球弧南西部で発生するSSEに関するすべり時空間発展解析
キーワード:地殻変動、スロースリップ、GNSS
琉球弧南西部はフィリピン海プレートがアムールプレートに沈み込む領域にあり、そのプレート境界面では約半年おきにSSE(Slow Slip Events)が発生している[例えばHeki and Kataoka, 2008]。特に八重山地域では、1771年に大津波を伴う八重山地震が発生し、SSEが起こっているプレート境界面と同一の境界面上で断層すべりが発生したと考えられている[Nakamura, 2009]。将来的にはこの地域で大地震が再発する可能性を正しく評価する必要がある。
琉球地方南西部は島嶼部であるためGNSS観測点が比較的少なく、プレート境界の断層すべりを正確に推定できるほど十分な解像度を得ることが困難である。そこで近年、琉球地方南西部には国土地理院によるGEONET観測点に加えて、京都大学や九州大学によるGNSS観測点が10点設置されている。京都大学による観測点は、黒島KRSM(2010年7月観測開始)、西表島大原OOHR(2011年2月)、西表島船浮FNUK(2011年3月)、小浜島KOHM(2011年3月)、与那国島YNGJ(2018年3月)、石垣島伊野田INDA(2018年7月)、石垣島白保SRH1(2018年7月)の計7点である。九州大学による観測点は、新城島YPNR(2017年9月)、西表島鹿川YKNK(2017年11月)、仲御神島YOGN(2017年11月)の計3点である。また、海上保安庁の観測点jd27も使用させていただいた。今回の解析ではこれらのGNSS観測点を使用してSSEのすべり時空間発展を推定し、解像度の改善を試みる。
本研究では、Kano et al.(2018)と同様の手法でSSEすべり時空間発展のインバージョン解析を行う。Kanoらは、2010-2013年に琉球弧南西部で発生した5回のSSEの時空間発展を推定し、SSE発生時のモーメントレートの時間変化がイベントごとに異なっていることを報告した。具体的には、急にすべり速度が増加し、その後ゆっくりとすべり速度が減少していくパターンや、すべり速度が最大となるまで数十日かけてゆっくりと加速するパターンがみられた。しかし、解析したイベント数が5つと少ないため、本研究では解析期間を2010年から2019年まで増やすことで、新たに発生したSSEによる断層すべりを推定するとともに、モーメントレートの時間変化のパターンの規則性に着目して研究を進めている。
琉球地方南西部は島嶼部であるためGNSS観測点が比較的少なく、プレート境界の断層すべりを正確に推定できるほど十分な解像度を得ることが困難である。そこで近年、琉球地方南西部には国土地理院によるGEONET観測点に加えて、京都大学や九州大学によるGNSS観測点が10点設置されている。京都大学による観測点は、黒島KRSM(2010年7月観測開始)、西表島大原OOHR(2011年2月)、西表島船浮FNUK(2011年3月)、小浜島KOHM(2011年3月)、与那国島YNGJ(2018年3月)、石垣島伊野田INDA(2018年7月)、石垣島白保SRH1(2018年7月)の計7点である。九州大学による観測点は、新城島YPNR(2017年9月)、西表島鹿川YKNK(2017年11月)、仲御神島YOGN(2017年11月)の計3点である。また、海上保安庁の観測点jd27も使用させていただいた。今回の解析ではこれらのGNSS観測点を使用してSSEのすべり時空間発展を推定し、解像度の改善を試みる。
本研究では、Kano et al.(2018)と同様の手法でSSEすべり時空間発展のインバージョン解析を行う。Kanoらは、2010-2013年に琉球弧南西部で発生した5回のSSEの時空間発展を推定し、SSE発生時のモーメントレートの時間変化がイベントごとに異なっていることを報告した。具体的には、急にすべり速度が増加し、その後ゆっくりとすべり速度が減少していくパターンや、すべり速度が最大となるまで数十日かけてゆっくりと加速するパターンがみられた。しかし、解析したイベント数が5つと少ないため、本研究では解析期間を2010年から2019年まで増やすことで、新たに発生したSSEによる断層すべりを推定するとともに、モーメントレートの時間変化のパターンの規則性に着目して研究を進めている。