JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS15] 地震発生の物理・断層のレオロジー

コンビーナ:吉田 圭佑(東北大学理学研究科附属地震噴火予知研究観測センター)、岡崎 啓史(海洋研究開発機構)、金木 俊也(京都大学防災研究所)、野田 博之(京都大学防災研究所)

[SSS15-06] 地質学的データから読み解く応力情報は何を意味するのか?

★招待講演

*大坪 誠1 (1.産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)

キーワード:断層、時間スケール、歪み、小断層、鉱物脈、応力場

地質学的時間スケール(10万年〜100万年オーダー)では断層は必ずしも同じ運動(活動)を続けるとは限らず,日本海東縁地域でのインバージョンテクトニクスのように,異なる状況(応力場)において異なる運動をすることが知られている.断層活動を含む地殻の変形発達の主たる源は地殻応力であり,地殻応力場の空間不均一性や各空間での特徴の理解が必要である.つまり,10万〜100万年オーダーという長期的な断層の運動像の理解や断層そのもの活動性の評価のためには,断層の置かれる地殻応力場の時間的空間的変化を想定する必要がある.このような変化の想定は,地震発生サイクルのような100年〜1000年オーダーの時間スケールでの断層に働く応力場を理解するためのベースとなる情報ともなるだろう.

本発表では,地質学データから推定される応力の時間的空間的な不均一性について日本列島周辺での応力テンソルインバージョンによる応力解析の事例を紹介しながら,「地質学的データから読み解く応力情報は何を意味するのか?」を考えたい.