JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS15] 地震発生の物理・断層のレオロジー

コンビーナ:吉田 圭佑(東北大学理学研究科附属地震噴火予知研究観測センター)、岡崎 啓史(海洋研究開発機構)、金木 俊也(京都大学防災研究所)、野田 博之(京都大学防災研究所)

[SSS15-P19] 2014年長野県北部地震を引き起こした神城断層の摩擦特性と動力学解析による強震動評価

*宮本 英1津田 健一2廣野 哲朗1 (1.大阪大学 大学院 理学研究科 宇宙地球科学専攻、2.清水建設株式会社 技術研究所)

キーワード:摩擦特性、動力学解析

2014年11月22日に長野県北部を震源とする MW 6.2 の地震が発生した.糸魚川静岡構造線断層帯の北部に位置する神城断層が活動したことによる地震である.神城断層の摩擦特性と地表付近で観測された地震波との関係を調べることを目的とし,まずトレンチ調査で採取した断層試料の摩擦実験を実施した.回転型高速摩擦試験機にて,軸荷重 1 MPa および,すべり速度 55 cm/s と 200 µm/s の条件での実験の結果,低速での摩擦係数 0.495,高速でのピーク摩擦係数 0.708,および弱化後の定常摩擦係数 0.269, 0.288 であった.次に,この実測値を動力学モデルに組み込んで断層から放出される地震波の数値解析を実施した.解析の結果,断層面に沿った深度 1, 2, 5, 10 km における,破壊開始から 60 秒間の断層面上のすべり速度を得た.また,それらのフーリエスペクトルをおよそ 0.01 Hz – 2.5 Hz の周波数範囲において求めた.フーリエスペクトルはこの周波数範囲において最低周波数での振幅が最大となり,そこから周波数が増すにつれて振幅が小さくなるような特徴を持っていた.また,観測加速度波形から求めた速度波に対してもフーリエスペクトルを求めたが,このスペクトルは 0.1 Hz – 1 Hz の周波数範囲において振幅が最大となり,解析結果と観測波形から得られる地震速度波の周波数特性は一致しなかった.