JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS16] 活断層と古地震

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、近藤 久雄(産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)、大上 隆史(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、佐藤 善輝(産業技術総合研究所 地質情報研究部門 平野地質研究グループ)

[SSS16-P08] 1943年鳥取地震の鹿野断層における稠密微動観測

*野口 竜也1小林 和生2岡野 三里1西村 武3香川 敬生1 (1.鳥取大学工学部、2.鳥取大学大学院持続性社会創生科学研究科、3.鳥取大学大学院工学研究科)

キーワード:微動観測、地盤震動特性、鹿野断層、1943年鳥取地震

1943年鳥取地震により鹿野・吉岡断層が生じた.トレンチ調査や踏査に基づく断層構造の調査があることから,鹿野断層とその周辺において重力探査や稠密微動探査を実施し地盤構造の推定を行っている.研究では,鹿野断層のごく近傍における地盤震動特性の把握のために稠密微動探査を実施した.

微動観測は,3成分加速度型地震計を用いて,鹿野断層の周辺を広域に単点3成分観測を31地点で実施した.また,地表地震断層の断裂箇所およびその延長線上の道路において,地震計間隔3~5m程のチェーンアレイ観測を3測線で実施した.解析としては,単体の3成分記録からH/Vを求め,その形状の特徴の変化や卓越周期を調べた.アレイ観測の記録からは,CCA法とSPAC法により位相速度分散曲線を求めた.得られた位相速度とH/Vの特性の違いから断層に伴う地盤構造の特徴を調べた.

広域のH/Vの卓越周期や形状は,地形と河川堆積物の特性に対応して分布状況が変化すること,断層上に近い地点は周辺よりも特徴が異なることがわかった.また,断層上のチェーンアレイのH/Vの特性としては,断層を跨いで両側でピークの形状が異なることがわかった.位相速度分散曲線の特徴としては,断層位置に伴う変化は特にみられなかった.