JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT51] 地震観測・処理システム

コンビーナ:前田 宜浩(防災科学技術研究所)

[STT51-P10] 地下構造情報解析クラウドシステムの開発

*先名 重樹1 (1.防災科学技術研究所)

キーワード:地下構造モデル、クラウド型システム、地質調査データ

防災科研では、これまでに関東・東海・熊本地方の計1都11県の250mメッシュ単位の浅部・深部統合地盤モデルの構築を実施してきた。地盤モデルの構築には膨大なデータの収集とモデル作成時間が必要であり、モデル化するための効率の良い仕組みが無いと広域モデルの作成・検証は困難である。この地盤モデルの構築において、最も重要な項目として、以下の要素があると考える。



① 地盤モデル構築のための基礎地盤データの収集

② 地盤データの書式の標準化とデータベース化

③ 自動化が可能な地盤モデル化手法の確立と自動生成の仕組み

④ 作成した地盤モデルの検証および修正



これら上記の4つの項目は、それぞれが独立して存在するだけでは機能しない。4つの項目が、1つの体系としてシステム化されることで、効率よく、誰がモデル化しても同じモデルが再現可能な地盤モデルの構築が行えるようになる。また、上記項目のどれかが1つ欠如しても広域のモデル化が困難となると考える。そこで、防災科研では、全国の地盤モデル構築を目指すため、上記4つの項目を体系的にまとめた地下構造情報解析クラウドシステムを構築した。

このクラウドシステムには、ボーリングデータや微動観測・解析結果データ、自治体の地震被害想定などで作成された地盤モデル、土地利用図、シームレス地質図、DEMデータ等の地盤モデル構築に関するデジタルデータが標準書式でデータベース化されており、地震本部でオーソライズされた地盤モデル構築手法に基づいて250mメッシュや50mメッシュ等の地盤モデルが構築可能となっている。また、構築された地盤モデルと地震記録や微動観測記録(S波速度や卓越周期)より、モデル化の検証も行える。
今後は、このシステムをさらに高度化するため、少ないデータからでも、品質の良いモデル構築が出来るように、AI化を進めていく予定である。