[SVC45-P16] 伊豆大島2010年代の重力変動について
キーワード:伊豆大島、重力、火山
近年の伊豆大島は約1~2年周期の短期的な膨張・収縮を繰り返しながら,長期的には膨張傾向にある.この長期的膨張がマグマの蓄積によるものであるならば,長期的な重力測定によってその質量変動を測定できるはずである.東大地震研は,1998年頃から断続的に絶対重力計と相対重力計を組み合わせたハイブリッド観測を行ってきた.そこで,直近の3回(2012,2017,2018年)に行われた重力測定データを解析した.6年間で島の南部で約70 マイクロgalの重力減少,頂上部のカルデラ近辺で約90 マイクロgalの増加が検出された.相対重力計の測定精度は悲観的に見積もっても20マイクロgal程度であるため,これらの変動は有意である.また.カルデラ上での重力増加は,気象庁気象研究所による相対重力測定(2017年3月~2018年11月)からも独立に検出されている.
ただし,これらの重力変化を直ちにマグマ蓄積によるものと解釈することはできない.なぜなら,(1)地殻の上下変動に伴う見かけの重力変化,(2)降水がもたらす重力変化があるためである.そこで,2018年11月の測定以降は,大島に4カ所あるGEONET点でも相対重力測定を行い,重力変動と地殻変動の関係を追跡できるようにした.また,降水に伴う重力変動を抑えるために,伊豆大島観測所内での絶対重力連続測定を実行した(2019年11月~2020年3月).本発表では,伊豆大島で見られた2010年代の重力変動について概説する.
ただし,これらの重力変化を直ちにマグマ蓄積によるものと解釈することはできない.なぜなら,(1)地殻の上下変動に伴う見かけの重力変化,(2)降水がもたらす重力変化があるためである.そこで,2018年11月の測定以降は,大島に4カ所あるGEONET点でも相対重力測定を行い,重力変動と地殻変動の関係を追跡できるようにした.また,降水に伴う重力変動を抑えるために,伊豆大島観測所内での絶対重力連続測定を実行した(2019年11月~2020年3月).本発表では,伊豆大島で見られた2010年代の重力変動について概説する.