JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-20] "Open Colloquium" Exploring the Earth's interior using cutting edge science and technology

2020年7月14日(火) 14:15 〜 15:45 Ch.2

コンビーナ:渡辺 寛子(東北大学ニュートリノ科学研究センター)、William F McDonough(Department of Earth Science and Research Center for Neutrino Science, Tohoku University, Sendai, Miyagi 980-8578, Japan)、上木 賢太(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、荒木 英一郎(海洋研究開発機構)、座長:渡辺 寛子(東北大学ニュートリノ科学研究センター)

14:15 〜 14:30

[U20-01] 地球ニュートリノ観測による地球深部理解

★招待講演

*渡辺 寛子1 (1.東北大学ニュートリノ科学研究センター)

キーワード:地球ニュートリノ、地球深部理解、マントル放射化熱

地球内放射性物質を起源とする反ニュートリノ「地球ニュートリノ」は、地球の熱収支や熱進化の根本的な謎に関わる地球内放射性物質量を直接観測することができるユニークなツールである。地球ニュートリノ観測による地球の理解は、2005年にKamLANDによって世界初観測が成し遂げられて以降、現在でも安定的に世界最高感度で観測を続けている日本発の世界を牽引する研究分野である。これまでに地球ニュートリノフラックスの観測によって許される地球の組成モデルに制限を与たが、大陸上での観測は約70%もの寄与が地殻由来であることに加えて地殻の予想フラックスモデルの不定性が大きいことにより、より深いマントルの情報を現存する大陸上の観測器による観測で得ることは難しい。地殻が薄くより単純な海洋での観測はマントルの地球ニュートリノの直接観測という地球深部の革新的知見を得られ、「ニュートリノ地球科学」の現代検出器の不可能を突破するブレークスルーとなる。
本講演では地球ニュートリノ観測による地球深部理解に向けた実験的取り組みについて紹介する。