日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS01] 東アジアの異常天候・都市災害と気候変動との関わり

2022年5月29日(日) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (6) (Ch.06)

コンビーナ:Inatsu Masaru(北海道大学大学院理学研究院)、コンビーナ:高薮 縁(東京大学 大気海洋研究所)、Chairperson:Masaru Inatsu(北海道大学大学院理学研究院)

11:00 〜 13:00

[AAS01-P03] 熱ストレス緩和策を評価するための都市規模のLESモデル(City-LES)の開発

*日下 博幸1、池田 亮作2、佐藤 拓人1、飯塚 悟3、朴 泰祐1 (1.筑波大学、2.ウエザーニューズ、3.名古屋大学)

キーワード:LESモデル、熱ストレス、緩和策、ドライミスト散布、街路樹、暑さ指数

メソスケールおよびミクロスケールの気象モデルは、都市の気候学に大きく貢献している。本講演では、我々のグループによる都市スケール気象モデリングの取り組みのハイライト、特にCity-LES(池田ら、2015)と名付けた我々独自の都市スケールのLESモデルの新バージョンを紹介する。このモデルの主な特徴は以下の通りである。(1) 本モデルは、風、気温、湿度、放射、雲・霧の時空間変動を三次元的に数値シミュレーション/予測する。(2) 非静力学的ブシネスク近似式に基づく力学コアを持ち,大気の静的安定性を考慮したモデルである。(3) 空間分解能は 1~10m オーダーであり、建物や街路樹の解像が可能である。(4) 長波・短波放射を3次元的に計算し、都市キャノポー層内での放射の多重反射を計算する。(5) このモデルを用いて、熱環境の緩和策、例えば、ドライミスト散布、街路樹、クール舗装、グリーン/クールルーフの設置などを評価することが可能である。(6) モデルは、様々な熱ストレス指数(UTCI、WBGT、THI、PMV、MRT)を出力できる。(7) WRFモデルなどのメソスケール気象モデルからの動的ダウンスケーリングによるモデルシミュレーションを行っている。講演では、シミュレーション結果や、City-LESモデルの開発について紹介する。