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[AAS03-10] 気候モデルにおけるダブルITCZ問題はどうしたら緩和できるか?
キーワード:熱帯収束帯、気候モデル、雲
ダブルITCZ問題は、気候モデルにとって共通する長年の問題であり、その原因について長い間議論がなされてきている。気候モデルにおけるダブルITCZ問題はどうしたら緩和できるだろうか?
CMIP5で使用されていた気候モデルMRI-CGCM3では、放射バイアスは非常に深刻で、特に南大洋ではそのバイアスが大きかった。しかし、CMIP6の参加モデルであるMRI-ESM2(Yukimoto et al. 2019)は、雲に関する様々な改良などにより(Kawai et al. 2019)、こうした放射バイアスはかなり小さくなっている。一方、MRI-ESM2では、ダブルITCZも、CMIP5で使用されていたMRI-CGCM3に比べて改善している。この放射バイアスの減少は、ダブルITCZ問題の緩和の原因なのだろうか?
MRI-ESM2の放射バイアスの軽減に寄与したそれぞれのスキームの変更がダブルITCZ問題にどう影響したかを調査するため、それぞれの変更を一つずつ旧モデルの扱いに戻していく実験を行った。実験の結果、南大洋の短波放射入射バイアスが増加していくにつれ、南半球熱帯の降水が増加していき、ダブルITCZ問題が悪化していくことが示された(Kawai et al. 2021)。この結果は、気候モデルのダブルITCZ問題は、南大洋などの放射バイアスを減少させることで、少なくともある程度は緩和されることを示唆している。
CMIP5で使用されていた気候モデルMRI-CGCM3では、放射バイアスは非常に深刻で、特に南大洋ではそのバイアスが大きかった。しかし、CMIP6の参加モデルであるMRI-ESM2(Yukimoto et al. 2019)は、雲に関する様々な改良などにより(Kawai et al. 2019)、こうした放射バイアスはかなり小さくなっている。一方、MRI-ESM2では、ダブルITCZも、CMIP5で使用されていたMRI-CGCM3に比べて改善している。この放射バイアスの減少は、ダブルITCZ問題の緩和の原因なのだろうか?
MRI-ESM2の放射バイアスの軽減に寄与したそれぞれのスキームの変更がダブルITCZ問題にどう影響したかを調査するため、それぞれの変更を一つずつ旧モデルの扱いに戻していく実験を行った。実験の結果、南大洋の短波放射入射バイアスが増加していくにつれ、南半球熱帯の降水が増加していき、ダブルITCZ問題が悪化していくことが示された(Kawai et al. 2021)。この結果は、気候モデルのダブルITCZ問題は、南大洋などの放射バイアスを減少させることで、少なくともある程度は緩和されることを示唆している。