11:00 〜 13:00
[AAS05-P02] 次元圧縮による過学習抑制した降雨洪水氾濫モデル・深層学習エミュレータ
キーワード:d4PDF、降雨流出氾濫モデル、エミュレータ、深層学習
近年、極端気象の増加による洪水災害が増加しており、災害対策には降雨イベントに対する浸水の空間分布が重要である。しかし、降雨流出氾濫モデル(佐山ら2014;以下、RRI)などの物理方程式に基づく水工・水理モデルは計算コストが高く、計算時間を要する。そこで本研究では、深層学習を用いて、実行計算コストの軽微な降雨流出氾濫モデルのエミュレータ(以下、Rain2Depth)を開発した。このエミュレータは降雨の空間・時間分布から降水イベントの最大浸水深を予測するものであり、今回の実験では秋田県雄物川流域を対象とした。また、入力には気象・気候分野で進められている大アンサンブル予測データ(d4PDF)の30年50アンサンブルから、各年の年最大30時間降水量を含む7日間を使用し、出力はRRIを用いて計算した最大浸水深分布とした。
Rain2Depthには深層畳み込みニューラルネットワークを使用した。入力データはアメダス観測点でバイアス補正した13地点における168時間の時系列データであり、出力データは最大浸水深の二次元分布である。まず過学習を防ぐために入力・出力データについて、次元圧縮を試みた。畳み込みオートエンコーダと主成分分析法の二つの異なる次元削減手法を比較したところ、畳み込みオートエンコーダの方が二乗平均平方根誤差(RMSE)を小さくできることがわかった。これは入力データについては時系列の特徴を、出力データについては浸水深分布の特徴を畳み込み層で効率よく学習できることに加え、活性化関数による非線形な変換が可能であることに由来すると考えられる。Rain2Depthでは、入力・出力データの特徴量をニューラルネットワークで結合した。
最大浸水深の深い地点(以下、A点)について、Rain2Depthの予測精度はRMSEが18 cm, 決定係数(γ)が0.95であった。A点に対して回帰学習器のアンサンブル学習させた場合(RMSE=30 cm、γ=0.81;小槻ら2020)よりも精度が向上した。アンサンブル学習をさせた回帰学習器(小槻ら2020)では、対象地点(A点)のみを予測するモデルであるが、今回構築したRain2Depthは2次元分布が出力可能であることを確認した。
Rain2Depthには深層畳み込みニューラルネットワークを使用した。入力データはアメダス観測点でバイアス補正した13地点における168時間の時系列データであり、出力データは最大浸水深の二次元分布である。まず過学習を防ぐために入力・出力データについて、次元圧縮を試みた。畳み込みオートエンコーダと主成分分析法の二つの異なる次元削減手法を比較したところ、畳み込みオートエンコーダの方が二乗平均平方根誤差(RMSE)を小さくできることがわかった。これは入力データについては時系列の特徴を、出力データについては浸水深分布の特徴を畳み込み層で効率よく学習できることに加え、活性化関数による非線形な変換が可能であることに由来すると考えられる。Rain2Depthでは、入力・出力データの特徴量をニューラルネットワークで結合した。
最大浸水深の深い地点(以下、A点)について、Rain2Depthの予測精度はRMSEが18 cm, 決定係数(γ)が0.95であった。A点に対して回帰学習器のアンサンブル学習させた場合(RMSE=30 cm、γ=0.81;小槻ら2020)よりも精度が向上した。アンサンブル学習をさせた回帰学習器(小槻ら2020)では、対象地点(A点)のみを予測するモデルであるが、今回構築したRain2Depthは2次元分布が出力可能であることを確認した。