日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS11] 大気化学

2022年5月27日(金) 10:45 〜 12:15 201A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:内田 里沙(一般財団法人 日本自動車研究所)、コンビーナ:坂本 陽介(京都大学大学院地球環境学堂)、岩本 洋子(広島大学大学院統合生命科学研究科)、コンビーナ:石戸谷 重之(産業技術総合研究所)、座長:持田 陸宏(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、長浜 智生(名古屋大学宇宙地球環境研究所)

10:45 〜 11:00

[AAS11-06] 大気化学の将来構想2022-32へ向けて:全体概要と序論について

*金谷 有剛1持田 陸宏2谷本 浩志3竹川 暢之4、日本大気化学会 _、日本学術会議IGAC小委員会 _ (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構地球環境部門、2.名古屋大学宇宙地球環境研究所、3.国立環境研究所地球システム領域、4.東京都立大学大学院理学研究科)

キーワード:大気化学、将来研究計画、システム科学、社会課題解決、学際連携、インフラ・人材育成

日本大気化学会と日本学術会議IGAC小委員会は「大気化学の将来構想2022-2032」を本年夏頃に出版する予定であり、その全体概要と序論部の構成案について紹介し、議論したい。本文書は、基礎科学としての真理探究、気候変動問題・健康リスクなど社会課題解決、Future EarthやSDGs貢献のために、今後10年(2022–2032年)で推進すべき大気化学分野の研究を、周辺分野との連携も含む形で整理して取りまとめることを目的としている。当該分野の研究者が学術研究の方向性の道標とし大型研究提案等の根拠とすることや,周辺学会との連携を推進する際のコミュニケーションツールとして活用することを目指している。本文書は序論と各論で構成される。
 各論部は全7章から成り、それぞれ、長寿命温室効果気体と成層圏オゾン破壊物質、短寿命気候強制因子、室内実験、陸域生態系との複合科学、海洋との複合科学、エアロゾル・放射・雲、成層圏以上の科学を扱うものである。これらのうち、前半5章については、2021年秋の大気化学討論会にて議論し、パブリックコメントに基づき改訂中であり、後半2章について、今回のJpGU大会で内容を提示し議論する。
 序論部は、これらの各論を踏まえ、大気化学のミッションステートメントを概念図とともに示したうえで、科学的課題、社会的課題、分野間連携、国際プロジェクトとの協調、国内省庁等との連携について述べる。また、地球惑星科学分野に共通的な基盤的課題となる、インフラ強化、人材育成、データ科学連携の在り方についても示す。これらの本質的な部分を提示し、コミュニティで議論したい。