11:00 〜 13:00
[ACC29-P03] グリーンランド南東ドームアイスコアの電気伝導度測定
雪氷中に酸などの水溶性不純物が存在すると、雪氷の電気伝導度が変化するため、雪氷試料の電気伝導度を測定することで試料中の不純物量を推定できる。試料を非破壊で分析することができるため、電気伝導度の測定はアイスコアに用いられてきた(e.g. Wolff et al., 1997; Fujita et al., 2016)。2021年5月にグリーンランド南東ドーム(67°11’ 30.14328″N,36°28’ 12.77075″W,3160.7 m a.s.l.)において全長約250 mのアイスコア(以下SE-Domeアイスコア) が掘削された(Iizuka et al., 2021)。このアイスコアの不純物量を見積もるため、誘電率連続計測(DEP)法により、電気伝導度を測定した(Fujita et al., 2016)。DEPの測定分解能は20 mm、-22℃の低温室で4種類の周波数(250 kHz, 25 kHz, 2.5 kHz, 0.25 kHz)で測定した。
その結果、周波数250kHzでの測定において、3m移動平均値から標準偏差の2倍以上の値を持つピークが、深度0 m~88.52 m(過去55年間)で46箇所検出された。これらのピークは周期的に変化しているので、硫酸イオンや硝酸イオン濃度などが高い夏季を示している可能性がある(Oyabu et al., 2015)。46のピークのうち顕著なピークは、大きい順に、深度43.39 m(1990年代)、37.52 m(1990年代)、66.00 m(1970年代)で検出されており、2000年以前に偏っていた。2015年5月に近傍地点(67°10’ 48″N,36°22’ 11″W,3170 m a.s.l.)において掘削されたアイスコア(全長90.45 m)のDEPにおいても、顕著な電気伝導度ピークが1968年、1987年、1992年で見られている(Iizuka et al., 2017)。
発表当日は、年代推定の精度を上げて、火山シグナルの同定を含めた、SE-Domeアイスコアの電気的性質を報告する。
その結果、周波数250kHzでの測定において、3m移動平均値から標準偏差の2倍以上の値を持つピークが、深度0 m~88.52 m(過去55年間)で46箇所検出された。これらのピークは周期的に変化しているので、硫酸イオンや硝酸イオン濃度などが高い夏季を示している可能性がある(Oyabu et al., 2015)。46のピークのうち顕著なピークは、大きい順に、深度43.39 m(1990年代)、37.52 m(1990年代)、66.00 m(1970年代)で検出されており、2000年以前に偏っていた。2015年5月に近傍地点(67°10’ 48″N,36°22’ 11″W,3170 m a.s.l.)において掘削されたアイスコア(全長90.45 m)のDEPにおいても、顕著な電気伝導度ピークが1968年、1987年、1992年で見られている(Iizuka et al., 2017)。
発表当日は、年代推定の精度を上げて、火山シグナルの同定を含めた、SE-Domeアイスコアの電気的性質を報告する。