日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG36] 海洋と大気の波動・渦・循環の力学

2022年5月25日(水) 10:45 〜 12:15 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:青木 邦弘(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、コンビーナ:Keating Shane R(University of New South Wales)、久木 幸治(琉球大学)、コンビーナ:杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)、Chairperson:Shane R Keating(University of New South Wales)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)

11:45 〜 12:00

[ACG36-11] 寒冷渦・トラフを連続的に補足する新客観的強度指標の紹介

*春日 悟1本田 明治2、浮田 甚郎2山根 省三3、川瀬 宏明4山崎 哲5 (1.三重大学、2.新潟大学、3.同志社大学、4.気象研究所、5.海洋研究開発機構)

キーワード:寒冷渦

本研究では寒冷渦の位置と強度をスナップショットの生のジオポテンシャル高度(以降、Z)より抽出することを目的に,高度分布上の凹みの幾何学的特徴を定量化することで新たな寒冷渦の抽出法とその強度指標を提案した(Kasuga et al. 2021).幾何学特徴量とは、Zの水平プロファイル(気圧面高度の水平断面)にある凹み中心から近傍のZプロファイルへの接線の傾き(最適傾きと呼ぶ)であり、寒冷渦の位置・強度のみならず,サイズと寒冷渦周囲のZ背景勾配を取得できる。さらに、スムージングやフィルタリングを必要とせず、スナップショットの任意気圧面のZより抽出可能であるため、利便性・客観性の高い指標であるといえる.また,凹みの強度を計測する際,周囲の背景場の影響を理論上取り除くことで,トラフを高度場の凹み切る前段階の弱い渦として抽出,トラフから寒冷渦へ発達する過程を滑らかに追跡することができる.これらの特徴を,2次元ガウシアンで寒冷渦を模した理想的な凹み場を用い数理的に証明することを試み,再解析データとの整合性も確認した.当日は,抽出手法の詳細と,先行研究との比較を紹介する予定である.また、本指標を用いた追跡手法も開発しており、セッションA-CG33で紹介する予定である。