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[ACG38-18] 次期静止ミッション検討会分科会における赤外サウンダー搭載に向けた検討
キーワード:赤外サウンダー、静止衛星、気象予報、温室効果ガス
2013年,地球観測に関わる日本国内の23の学会にまたがる組織として,「今後の宇宙開発体制のあり方に関するタスクフォース(TF)・リモートセンシング分科会」が設立され,衛星リモートセンシングに関するユーザー要求のとりまとめや,それを踏まえた将来構想の議論などの活動が始まった。その一つのサブ組織として,将来の静止衛星搭載センサに関する議論を行う場として,「将来の静止衛星観測に関する検討会(NGG/MinT:MInT: Next Generation GEO/Mission Investigation Team)」が組織された。この中の赤外サウンダー分科会の活動について報告する。分科会としては、まず、過去の赤外サウンダーの詳細なレビューを行った。同時に、気象の数値予報モデルをベースにした観測システムシミュレーション実験(OSSE)を実施した。これにより、静止衛星搭載の赤外サウンダーにより観測された水蒸気プロファイルをデータ同化することで、降水量の予報精度が向上することが示された(岡本他, 2020)。一方、静止軌道からの温室効果ガス観測の要望も強いことから、JAXAにおいて温室効果ガス観測衛星であるGOSAT, GOSAT-2搭載の熱赤外サウンダーをベースにしたイメージングFTSの実現性の検討を進めている。これまでに、集光光学部の追加や、スキャンの瞬時視野と積分回数の最適化により、要求される信号雑音比(SNR)に近づくことが示された。今後は、検出器性能の改善などにより、要求仕様の実現に向けた改良を進めていく。