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[ACG41-06] 航空機観測により捉えた台風Mindulle (2021)の暖気核構造
キーワード:Tropical cyclone intensity、 warm-core structure、aircraft reconnaissance
台風の進路・強度予測の高精度化を目指して中心気圧と最大風速の高精度データを取得する航空機観測プロジェクトT-PARCIIでは、2021年から新たなジェット機Gulfstream-IVを使用する。この航空機は従来機に比べ、最大飛行時間が4時間から8時間に増え、最大飛行高度が45,000ftに増加したのが特徴である。この航空機による初めての台風観測を、2021年第16号(Mindulle)に対して実施した。中心付近ではこのプロジェクトとして初めて「バタフライパターン」の飛行を行った。ドロップゾンデを目の中に5個、壁雲に11個、その外側に15個の合計31個を投下した(図)。本発表では観測された暖気核構造の特徴を報告する。気象庁の解析によると、中心気圧は観測期間を含む18時間内に950から935hPaに低下しており、緩やかな発達から定常状態に移行する段階を観測したことになる。環境場の200-850hPa鉛直シアーは東向き6.7 m/sで、moderateな強さのシアーの影響を受けていた。衛星可視画像によると、目の直径は対流圏下層で約80 kmと比較的大きかった。これらは、2017年第21号(Lan)の観測期間の特徴に類似する。目の中心付近に投下したドロップゾンデのデータを用いて、温位偏差のプロファイルを作成した。高度約3, 10 kmに極大が、観測の上端(14km)付近に正偏差の増加傾向がみられ、多重な暖気核構造になっていた。相当温位は海面付近と対流圏上層で約380Kに達し、下層暖気核では360 Kと低かった。この点も、Lan (2017)とよく似た特徴である。