日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW26] 同位体水文学2022

2022年6月2日(木) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (9) (Ch.09)

コンビーナ:安原 正也(立正大学地球環境科学部)、コンビーナ:大沢 信二(京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設(別府))、浅井 和由(株式会社 地球科学研究所)、コンビーナ:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、座長:浅井 和由(株式会社 地球科学研究所)

11:00 〜 13:00

[AHW26-P04] 2021年8月に出現した富士山北麓の一時的湖沼「赤池」の水質・安定同位体的特徴

*山本 真也1中村 高志2李 盛源3安原 正也3 (1.山梨県富士山科学研究所、2.山梨大学国際流域環境研究センター、3.立正大学地球環境学部)

キーワード:富士山、一時的湖沼、水質、安定同位体

赤池は、富士山北麓・精進湖の東約1 kmの窪地に大雨が降ると出現する小規模の一時的湖沼である。これまでの研究では、2020年7-8月に出現した赤池の水の水素・酸素安定同位体比の測定を行い、赤池に流入する水が主に直近の降雨に由来することを明らかにした。また、主要溶存イオン組成、硝酸イオンの窒素・酸素安定同位体比、微量元素組成の特徴から、赤池の水の起源が地下深部に浸透することなく比較的短期間(数日程度)で流出した降雨にあることを明らかにした。一方、これまで赤池の水質や環境同位体を連続的に観測した例はなく、また周辺の水文地質構造に対する理解が不十分であることから、赤池の形成メカニズムの詳細については未だ解明に至っていない。そこで本研究では、2021年8月に出現した赤池の水質、水の水素・酸素安定同位体比を測定し、2020年のデータとの比較を行うことで赤池の形成メカニズムの検討を行なった。また今年度実施予定の赤池の地下水位の観測計画についても紹介を行う。