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[AOS12-06] GCOM-C/SGLIを用いた沿岸域における大気補正の最適化手法の検討
キーワード:光学衛星、海色リモートセンシング、大気補正
光学衛星を用いた水質推定は,海洋環境の面的な把握に適した観測手法である.特に250mの空間解像度を有し,2,3日に1度という高頻度の観測が可能なGCOM-C/SGLIは,詳細かつ持続的な水環境モニタリングへの活用が期待されている.大気散乱光が衛星観測光の大部分を占めるため,衛星データを用いる際には正確に大気による影響を除去する必要がある.SGLIでは,標準大気補正モデルを用いた大気補正処理を経てリモートセンシング反射率(Rrs)が取得され,水質データが推定される.しかしながら,標準補正モデルでは人為起源の吸収性エアロゾルが考慮されておらず,また近赤外域の2波長(673.5nm, 868.5nm)のエアロゾル光学厚さ比を用いて可視域のエアロゾル反射率を外挿し推定する手法をとっているため,沿岸域での水質推定は大気補正結果の可視短波長域での過小推定により困難である.
本研究では,沿岸域における大気補正結果を水中モデルにより最適化する手法を開発した.このアルゴリズムでは,標準モデルによる大気補正結果はエアロゾル反射率の再計算の後,生物光学モデルを用いて最終的にRrsが再推定される.構築したアルゴリズムに関し現地観測結果と比較検証を行い,過小推定されたRrsが最適化されることが示唆された.加えて感度分析を行い,植物プランクトンの光吸収係数およびデトリタスとCDOMの光吸収係数がモデルに対し高い感度を示すことを把握した.沿岸域において空間的にRrsが向上し,本アルゴリズムの有効性が示唆された.
本研究では,沿岸域における大気補正結果を水中モデルにより最適化する手法を開発した.このアルゴリズムでは,標準モデルによる大気補正結果はエアロゾル反射率の再計算の後,生物光学モデルを用いて最終的にRrsが再推定される.構築したアルゴリズムに関し現地観測結果と比較検証を行い,過小推定されたRrsが最適化されることが示唆された.加えて感度分析を行い,植物プランクトンの光吸収係数およびデトリタスとCDOMの光吸収係数がモデルに対し高い感度を示すことを把握した.沿岸域において空間的にRrsが向上し,本アルゴリズムの有効性が示唆された.