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[AOS17-P02] 深海海山における流況特性解明のためのダウンスケーリングによる流動モデリング
キーワード:海山、流動モデル、ダウンスケーリング、テイラーキャップ、潮流
海山周辺は、地形の影響を受けた複雑な流れ場が形成される。流れの特徴を明らかにすることは、海山の環境を理解するために重要である。本研究では、北西太平洋の深海海山を対象に流動モデリングを行い、流況特性の把握を試みた。計算手法は、POMgcm型海洋大循環モデルを用い、海洋再解析データJCOPE2Mおよび潮汐モデルOTISを境界条件とするダウンスケーリングとした。計算結果は観測データと比較し、M2分潮、K1分潮および平均流について精度が良いことを確認した。海山平頂部上には、時計回りに循環する流れ場である”Taylor cap”が存在していた。平頂部上の絶対流速は、海山の北端と南端で最も大きく、平均約5 cm/sであった。一方、平頂部中央では比較的小さく、0~2 cm/s程度であった。平頂部において潮流が増幅される現象が確認され、M2分潮の振幅は基部で0.91 cm/sであったのに対し、平頂部では約5倍の4.57 cm/sであった。