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[AOS22-P03] 利根川河口沖における懸濁粒子動態の現場観測
キーワード:懸濁粒子動態、海底境界層、粒径分布、利根川
河川水は陸から海へ淡水、土砂懸濁物、および栄養塩を運んでおり、その輸送・拡散過程の詳細把握は、堆積物、ベントス、底魚類等の沿岸域での生態系の理解に向けて不可欠の課題である。本研究は、利根川由来の水塊の海洋内への輸送・拡散過程を把握することを目指し、特にその懸濁物粒子動態との関連に注目した現地調査を行った。2021年の5月および12月に、利根川河口沖においてLISST-100X(Laser In-Situ Scattering and Transmissometry)を用いて、粒径別粒子濃度の空間分布を計測した。観測結果からは、利根川起源と推察される低塩分の水域の海底近傍において高濁度層が形成されている事例が頻繁に確認された。さらに、粒子の沈降速度と密接に関連する粒径分布について、海底高濁度層においては100 µm以上成分の寄与が大きいことが示唆された。