日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS22] 沿岸域の海洋循環と物質循環

2022年6月2日(木) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (7) (Ch.07)

コンビーナ:高橋 大介(東海大学)、コンビーナ:古市 尚基(水産研究・教育機構 水産技術研究所)、山口 一岩(香川大学)、コンビーナ:森本 昭彦(愛媛大学)、座長:高橋 大介(東海大学)、古市 尚基(水産研究・教育機構 水産技術研究所)、山口 一岩(香川大学)、森本 昭彦(愛媛大学)

11:00 〜 13:00

[AOS22-P05] 駿河湾における沿岸潮位の季節・経年変化

*藤井 朋哉1高橋 大介2 (1.東海大学大学院海洋学研究科、2.東海大学海洋学部)

キーワード:季節変化、経年変化、沿岸潮位、黒潮流路、駿河湾

本州南岸に位置する駿河湾は,南部に湾口を持つ開放性の湾である.外洋域の海洋擾乱は,この湾口を通って湾内に進入するとともに,湾内の海洋構造を季節的にも経年的にも変化させる.したがって,湾内の海洋構造の季節・経年変化を把握するために,湾内だけではなく,湾外の海洋現象についても調べる必要がある.そこで,本研究では,外洋域を起源とする海洋擾乱が湾内の海洋構造の季節・経年変化に与える影響を明らかにすることを目的とし,駿河湾内の6地点(石廊崎,田子,内浦,清水港,焼津,御前崎)における2003年から2018年までの期間の潮位データ,及び日本南岸海域の絶対海面力学高度データを解析した.湾内の潮位の季節変化は,2月の最小と8月の最大によって特徴づけられ,解析期間を通して,このような季節変化が繰り返された.ただし,2005年,2012年,そして2017年については,潮位の季節変化に変調が認められ,最小もしくは最大を示す月にずれが生じた.一方,湾内の潮位の経年変化は,2004年の極大と2006年の極小によって特徴づけられ,これらに伴い,約3年周期の変動の振幅が増大した.この期間,日本南岸海域を東進する黒潮は大蛇行から非大蛇行へ移行していることから,黒潮流路の変化が湾内の潮位の経年変化に影響を及ぼしていると考えられる.