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[BGM02-03] 東部南海トラフ海底堆積物の微生物メタン生成活動
★招待講演
キーワード:メタン、メタン生成、メタン生成菌、メタンハイドレート、南海トラフ
環境中には生物起源のメタンが存在し、メタン生成細菌が代謝活動により生成したと考えられている。従来、海底下における微生物によるメタン生成活動は、間隙水中の硫酸イオンがなくなる深度(SMI)より深い深度において起こっていると考えられている。しかしながら、地下環境ではどのような種類のメタン生成菌がどれぐらい分布しているか、また、どれぐらいの速度でメタンを作っているかよく分かっていない。本研究では、生物起源のメタンハイドレート(MH)が分布する東部南海トラフにおいて、海底表層からMH濃集帯までの海底堆積物を採取し、多様なメタン生成菌が広い範囲で分布し、メタン生成活性を有することを明らかにした。また、培養実験により多様な生きたメタン生成菌の分離に成功し、その温度特性を明らかにした。これらの結果は、生物起源のMHの成因解明の手掛かりとなる。なお、本研究はメタンハイドレート研究開発コンソーシアム(MH21)の研究の一部として行われた。