16:00 〜 16:15
[G01-03] 日常の景観に大地の営みを読み解き災害を想起する=地震火山地質こどもサマースクールの23年
★招待講演
キーワード:対話
地震火山地質こどもサマースクールは、専門家の常識が地域に共有されていなかった1995年の兵庫県南部地震をきっかけに、災害をもたらすこともある大地の成り立ちを、地元の次世代に第一線の専門家が伝えようとしてスタート。地震と火山の2学会の事業として始めたが、ジオパークの運動が盛んになった2011年から地質学会も参画し、ほぼ毎年夏に開催している子どもたちとのワークショップである。
参加者は、小学校高学年から高校生までを縦割りでチームに編成、小学生が理解出来る言葉で進めていくことが求められる。2日間のプログラムの最後には、グループ発表が行われるが、そこでは大地の営みと災害の恐れと恵み、人々の暮らしについて、専門知がない小学生でも、自分の言葉で語ってくれるようになる。
ほぼ確立された手法になっているが、プログラムの最初は、大きな景観から何かを見つけ出すところから始めている。見慣れた景観から、改めて何かの発見を求めることで、観察が始まる。特に小学生の素直な感性が、研究者をもうならせる。2004年に神戸で実施した時に、六甲山の「山並みが壁っぽい」という表現は、断層地形そのものを端的に表す言葉と言える。
一方で、ハザードマップに引かれた線が唯一解ではないというような、リテラシーを持てるようになるために、科学の不確実性や分からないことも、科学者との対話で得ることが出来る。また、時に素直な指摘が、科学者をうならせるような本質を突くこともある。
第一線で活躍する専門家が、フィールドワークや実験などのプログラムにこどもたちと同じ視点で取り組むことによって、より深いリテラシーの獲得につながっていると考えている。23年間、実施してきたプログラムの特徴などについて概観する。
参加者は、小学校高学年から高校生までを縦割りでチームに編成、小学生が理解出来る言葉で進めていくことが求められる。2日間のプログラムの最後には、グループ発表が行われるが、そこでは大地の営みと災害の恐れと恵み、人々の暮らしについて、専門知がない小学生でも、自分の言葉で語ってくれるようになる。
ほぼ確立された手法になっているが、プログラムの最初は、大きな景観から何かを見つけ出すところから始めている。見慣れた景観から、改めて何かの発見を求めることで、観察が始まる。特に小学生の素直な感性が、研究者をもうならせる。2004年に神戸で実施した時に、六甲山の「山並みが壁っぽい」という表現は、断層地形そのものを端的に表す言葉と言える。
一方で、ハザードマップに引かれた線が唯一解ではないというような、リテラシーを持てるようになるために、科学の不確実性や分からないことも、科学者との対話で得ることが出来る。また、時に素直な指摘が、科学者をうならせるような本質を突くこともある。
第一線で活躍する専門家が、フィールドワークや実験などのプログラムにこどもたちと同じ視点で取り組むことによって、より深いリテラシーの獲得につながっていると考えている。23年間、実施してきたプログラムの特徴などについて概観する。