日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2022年5月22日(日) 13:45 〜 15:15 301B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、コンビーナ:丹羽 淑博(東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター)、座長:丹羽 淑博(東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター)、畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)

13:45 〜 14:00

[G03-01] 地形表現手法「陰陽図」を利用した中学校、大学における地形認識教育について

*此松 昌彦1 (1.和歌山大学教育学部)

キーワード:地学教育、地形認識、陰陽図

地形認識には一般的には等高線を利用した地形図が使用される。しかし最近の生徒や学生においてはGoogle mapなどがよく利用されるが等高線がないため地形の凹凸についての意識があまりないようである。大学の教員養成学部の地学実験においても地質図を理解するためにも地形図について立体的な感性を養うために水系図を描いてもらいながら尾根を意識してもらい、分水嶺についても意識できるように工夫している。しかし等高線の理解ができないようで、立体的に頭でイメージできないでいる。
 そこで今回の研究では陰陽図という地形の凸凹を陰と陽に分けて立体感を強調した微地形表現図を利用して、学生たちに作業してもらったところ、以前の等高線を利用した一般的な地形図より凸凹が理解しやすくなったという結果がある。これは最近のレーザ測量の進歩によって多様な地形表現ができるようになったことにより、その一つの種類が陰陽図になる。本来の陰陽図はカラーで表現するのであるが、大学での実践はカラーを白黒印刷しても尾根や谷がわかりやすいという結果にもなっていることを報告する。
 またさらに附属中学校での1学年において陰陽図を利用した地形図やパソコンを利用したV Rを用いた3D仮想空間の陰陽図を使用した地形を理解してもらう実践を行ったことを報告する。投稿時においては中学校での実践前になり、発表時に詳細な実践についての結果を報告する。

この研究の一部は、JSPS科研費17K01033の助成を受けたものである。