日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 地球科学関連教育と情報デザイン

2022年5月22日(日) 10:45 〜 12:15 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:松岡 東香(清和大学法学部)、コンビーナ:山下 幹也(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、座長:松岡 東香(清和大学法学部)、山下 幹也(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

11:45 〜 12:00

[G04-05] 大学の地球惑星科学史講義におけるデジタルアーカイブの利用実践

*玉澤 春史1,2 (1.京都市立芸術大学、2.京都大学)

キーワード:デジタルアーカイブ、地球惑星科学史

2021年以降の講義のオンライン化に伴い、アーカイブデータを大学での実習や演習、あるいは卒業研究などで利用する機会が増加してきた。地球惑星科学分野でも観測が難しい場面ではアーカイブデータを取得し解析することが行われている。同様の動きは人文社会科学分野でも行われており、2020年に正式版が公開された、各施設が公開しているデジタルアーカイブを横断的に検索可能な「ジャパンサーチ」を用いた実習の実践例が報告されている。
演習だけでなく講義に関しても課題を通じて同様のアプローチが可能である。自然科学における倫理や歴史といった内容は講義のなかで扱われてることが多いが、電子ジャーナル同様にデジタルアーカイブの利用は受講者のより主体的な学習を促すツールとなりえる。
報告者は自然科学史に関する大学講義のなかで、江戸期の天文書に描かれた太陽系の概念図をデジタルアーカイブを用いて検索、閲覧してもらい比較検討するという課題を実施した。デジタルアーカイブを利用して歴史的な文献を実際に検索、閲覧し考察するという経験は受講者の所属学部に関係なく有用であった。期末レポートでもデジタルアーカイブを利用したものが見受けられ、継続的な利用も一部でみられた。同様のアプローチは地球惑星科学の各分野における歴史的内容でも可能であり、科学と社会との接点を考えるうえでも公開データの授業での使用は有用と考えられる。