日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-05] ジオパークで学ぶ日本列島の特徴と地球・自然・人の相互作用(ポスター発表)

2022年5月29日(日) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (26) (Ch.26)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、コンビーナ:佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(糸魚川市役所)、コンビーナ:小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)、座長:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)

11:00 〜 13:00

[G05-P08] 苗場山麓ジオパークにおける火成岩の活用

*仲野 浩平

キーワード:結東の石垣田

結東集落の北側には、全国農村景観百選にも選ばれている美しい石垣田が広がっている。長い年月と労力をかけて築かれた石垣は、鳥甲山と苗場山の火山噴出物(柱状節理)の崩れた落石を利用しています。開墾が始まったのは、明治25年(1892)頃で、秋山郷は稲作には厳しい環境とされていましたが、村人の強い思いが血と汗となって、この石垣田を作り上げました。現在は、周囲の農道が狭く、大型機械が入れないために農作業が大変なことと村人の高齢化もあり、耕作されない田んぼが多くなってきています。そのため、保存会が発足し、住民や行政と協力しながら保全活動を行うとともにエコツーリズムなどと連携して農業体験も行っています。
この石垣田のすばらしさをたくさんの人に知ってもらうために、「けっとの灯影」と題し、田植え後の石垣田に1000本のキャンドルを灯し、からす踊り(土着民謡)などで春の宵を楽しむイベントも開催しています。また、溶岩壁下部のガレ場には「風穴」が点在していて、エゾヒョウタンボクなど希少な植物が生育しています。ジオ・エコ・カルチャーが融合したすばらしいスポットです。