日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG26] 気候変動への適応とその社会実装

2022年6月1日(水) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (18) (Ch.18)

コンビーナ:山野 博哉(国立環境研究所)、コンビーナ:石川 洋一(海洋研究開発機構)、大楽 浩司(筑波大学)、コンビーナ:田村 誠(茨城大学地球・地域環境共創機構)、座長:山野 博哉(国立環境研究所)、石川 洋一(海洋研究開発機構)、大楽 浩司(筑波大学)、田村 誠(茨城大学地球・地域環境共創機構)

11:00 〜 13:00

[HCG26-P03] エチオピアにおける複数水文モデルの不確実性評価

*赤平 勝哉1大楽 浩司1、Brhane Ermias1 (1.筑波大学)

キーワード:水文モデル、不確実性評価、エチオピア

IPCCの第6次報告書やTCFDの設立などから、気候変動対策の必要性・圧力は年々高まっている。その流れを受けて再生可能エネルギーの利用が進められている。中でも水力発電は、コストの低さ、自給率の高さなどの点で優れている。そして水力発電は、気候変動対策において温室効果ガスの排出量を減少させる点で重要な役割を果たすとともに、気候変動の影響を大きく受ける。
特にアフリカモンスーン地域では水力発電に依存している国が多く、今後の電力需要が増加していくことから、影響の予測が求められる。しかし、十分な観測データの無いそれらの地域では気候変動が水力発電に与える影響の調査数が少なく、不確実性が大きい。
本研究では2つの水文モデル、3つの気象データを用いて、エチオピアのタナ湖流域において2000年から2009年の10年間におけるモデル間、データセット間でのシミュレーション流出量の比較を行った。その結果、モデル間・データセット間ともに、季節変動の再現性は高かったが、流出量が大きく異なることがわかった。これはデータの適用方法や処理の仕方、精度に原因があることが考えられる。
今回の結果は、エチオピア同様に、十分な観測データの無い地域における気候変動の水力発電に対する影響の調査において、データ・モデルの選択に示唆を与えるものである。