11:00 〜 13:00
[HCG27-P05] ジオパークにおける小学校教育と地域性
キーワード:ジオパーク、地域性、学校経営、小学校、山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク、糸魚川ユネスコ世界ジオパーク
Ⅰ 研究の背景と目的
「ユネスコ世界ジオパーク」は、国際的に価値のある地質遺産を保護し、そうした地質遺産がもたらした自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することにより、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現することを目的とした事業である。日本にはその国内版として「日本ジオパーク」もある。いずれにおいても、地域や教育に焦点が当てられている。
他方、地球惑星科学として地域や教育に関わる際には、地球惑星科学の内容や教授法に重きが置かれることが多い。それらは重要であるが、地域社会や学校教育の文脈をよく理解したうえでアプローチしないと、十分な効果は得られないし、持続が困難になることもある。特に、地学教育・理科教育や地理教育・社会科教育といった教科教育の枠を超えて学校教育に関わる際には、とりわけ小学校と連携する際には、学校経営の視点をもって臨む必要がある。
そこで本研究では、ジオパークにおける小学校教育に地域性がどう表れているかを検討する。
Ⅱ 研究方法
ユネスコ世界ジオパークに存在する小学校における学校経営方針(グランドデザイン)を用いる。学校経営方針は、校長が中心となって年度初めに策定するもので、学校教育目標や、めざす子ども像(めざす子どもの姿、めざす児童の姿などの表現が用いられることもある)、めざす学校像、めざす教師像などから構成されることが多い。そこには、各学校が何を目指しているのかが示されている。
その全文や、学校教育目標、めざす子ども像等を、テキストマイニング分析ツールである「KH-Coder」にかけ、文章中に共起している語のパターンを図示する共起ネットワーク分析をおこなう。その結果を、地域間で比較する。
研究対象地域は、山陰海岸ユネスコ世界ジオパークおよび糸魚川ユネスコ世界ジオパークとした。前者は、「日本海形成に伴う多様な地形・地質・人々の風土と暮らし」というひとつのテーマを共有している一方で、東から京都府京丹後市、兵庫県豊岡市・香美町・新温泉町、鳥取県岩美町・鳥取市という、日本海に面する6つの市町から構成されており、学校と地域との関係に多様性があると考えられる。また、後者は新潟県糸魚川市のみで構成されており山陰海岸とは好対照をなす。基本理念として、「ふるさと糸魚川を知り・学び・発見することによって、ふるさとの価値を再認識する」「ふるさと糸魚川の価値を守り・活かし・伝えることによって、ふるさとへの愛着と誇りを醸成する」「ふるさと糸魚川を磨き上げ・国内外に発信することによって、交流人口の拡大を図り、 持続可能な発展を目指す」の3つを掲げるなど、地域振興や教育に重きが置かれている。
Ⅲ 結果と考察
いずれのジオパークにおいても、小学校経営の中心にジオパークが位置づけられていることはない。しかし、学校経営に地域性はみられる。特に山陰海岸ユネスコ世界ジオパークでは、地域と学校との関係が市町によって異なっていることがわかった。詳細は発表時に報告する。
「ユネスコ世界ジオパーク」は、国際的に価値のある地質遺産を保護し、そうした地質遺産がもたらした自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することにより、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現することを目的とした事業である。日本にはその国内版として「日本ジオパーク」もある。いずれにおいても、地域や教育に焦点が当てられている。
他方、地球惑星科学として地域や教育に関わる際には、地球惑星科学の内容や教授法に重きが置かれることが多い。それらは重要であるが、地域社会や学校教育の文脈をよく理解したうえでアプローチしないと、十分な効果は得られないし、持続が困難になることもある。特に、地学教育・理科教育や地理教育・社会科教育といった教科教育の枠を超えて学校教育に関わる際には、とりわけ小学校と連携する際には、学校経営の視点をもって臨む必要がある。
そこで本研究では、ジオパークにおける小学校教育に地域性がどう表れているかを検討する。
Ⅱ 研究方法
ユネスコ世界ジオパークに存在する小学校における学校経営方針(グランドデザイン)を用いる。学校経営方針は、校長が中心となって年度初めに策定するもので、学校教育目標や、めざす子ども像(めざす子どもの姿、めざす児童の姿などの表現が用いられることもある)、めざす学校像、めざす教師像などから構成されることが多い。そこには、各学校が何を目指しているのかが示されている。
その全文や、学校教育目標、めざす子ども像等を、テキストマイニング分析ツールである「KH-Coder」にかけ、文章中に共起している語のパターンを図示する共起ネットワーク分析をおこなう。その結果を、地域間で比較する。
研究対象地域は、山陰海岸ユネスコ世界ジオパークおよび糸魚川ユネスコ世界ジオパークとした。前者は、「日本海形成に伴う多様な地形・地質・人々の風土と暮らし」というひとつのテーマを共有している一方で、東から京都府京丹後市、兵庫県豊岡市・香美町・新温泉町、鳥取県岩美町・鳥取市という、日本海に面する6つの市町から構成されており、学校と地域との関係に多様性があると考えられる。また、後者は新潟県糸魚川市のみで構成されており山陰海岸とは好対照をなす。基本理念として、「ふるさと糸魚川を知り・学び・発見することによって、ふるさとの価値を再認識する」「ふるさと糸魚川の価値を守り・活かし・伝えることによって、ふるさとへの愛着と誇りを醸成する」「ふるさと糸魚川を磨き上げ・国内外に発信することによって、交流人口の拡大を図り、 持続可能な発展を目指す」の3つを掲げるなど、地域振興や教育に重きが置かれている。
Ⅲ 結果と考察
いずれのジオパークにおいても、小学校経営の中心にジオパークが位置づけられていることはない。しかし、学校経営に地域性はみられる。特に山陰海岸ユネスコ世界ジオパークでは、地域と学校との関係が市町によって異なっていることがわかった。詳細は発表時に報告する。