11:00 〜 13:00
[HCG29-P03] 陸棲藍藻Nostoc sp. HK-01が生産する細胞外物質(EPS)の多様な機能
キーワード:シアノバクテリア、細胞外物質
シアノバクテリア(藍藻)が増殖の過程で生産する細胞外物質(EPS;Extracellular polymeric substances)は、乾燥、塩、凍結や紫外放射線などの環境ストレスから藻体を保護する働きがあることで知られている。陸棲藍藻Nostoc sp. HK-01(以降、HK-01)は、増殖の過程で複数の細胞形態に分化するが、その中で特に乾燥状態の休眠細胞は、真空、重粒子線、ガンマ線および紫外放射線に環境に高い耐性を示す。藍藻の紫外線耐性に寄与する物質として、これまでに中長波長の波長域に吸収を示す物質が報告されているが、短波長域に高い吸収を示す物質の報告はまだない。我々は、HK-01のEPSの紫外放射線の短波長領域の耐性に寄与する物質に加え、休眠細胞の発芽やその後の分化を制御すると考えられる機能を備えた物質(群)などの存在を確認した。本発表は、これらの物質の機能と野外生態内での戦略との関係について考察する。