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[HDS12-P01] 中部日本の活断層の特性とその地域性
キーワード:活断層、中部日本、ずれのタイプ、平均変位速度、フィリピン海プレート
中部日本に分布する活断層の断層タイプ及び平均変位速度の地域的な分布特徴について、この地域の地下に沈み込んでいるフィリピン海プレートの上面深度との関係について考察する。日本列島の中央付近にあたる中部日本には、逆断層と横ずれ断層が混在して数多く分布する。逆断層は南北走向に近いものが鈴鹿山地周辺や知多半島に分布するほか、屏風山断層や恵那山断層といった北東-南西方向の逆断層が分布する。横ずれ断層に関しては、北東-南西走向の右横ずれ断層と北西-南東走向の左横ずれ断層といった共役関係が見られるが、実際には実際には斜めすべりであったり、地質学的時間スケールにおいてはすべり方向が変化したことが想定される活断層が存在する。その一例として、岐阜県南東部に位置する北東-南西走向の恵那山断層は逆断層と評価されているが、同断層に沿って水系の右横ずれが多く認められ、露頭で観察される断層面は高角度な南東傾斜であることが多い。平均変位速度については、養老断層(逆断層)、跡津川断層(右横ずれ)、阿寺断層(左横ずれ)、根尾谷断層(左横ずれ)で高い(>1 m/千年:活動度A級)、それ以外には活動度B級以下がほとんどである。