11:00 〜 13:00
[HGM03-P03] 花こう岩からなる山地の地形解析
―阿武隈高地における隆起準平原の再検討―
キーワード:隆起準平原、侵食輪廻、花こう岩、阿武隈高地
隆起準平原は、W. M. デービス によって提唱された概念モデル「侵食輪廻」の一つのステージであるが、その解釈は定量的な地形解析による見直しが必要と考えられる。本研究では、隆起準平原と考えられてきた阿武隈高地の小起伏面について、流域の地形解析を行って再検討する。研究対象とした流域は、阿武隈高地を太平洋に向かって流れる3つの河川(新田川・高瀬川・夏井川)で、国土地理院のDEM10AデータからGISを使用して河床縦断面を解析し、傾斜が急変する地点を検出した。それらのうち、小起伏面の境界にあたると考えられる地点の標高を抽出すると、260~420 mの間に位置しており、特定の地質条件に依存しないことが確認された。地形解析の結果は、それぞれの流域をとりまく尾根線の標高にばらつきがあることも示しており、阿武隈高地の地形を隆起準平原と解釈することは難しい。