16:00 〜 16:15
[HSC06-09] CO2ハイドレート貯留における液体CO2の圧入性能評価
キーワード:CCS、CO2地中貯留、ハイドレート、遮蔽性能、圧入性能
日本で2050年のカーボンニュートラルを実現するためには、CCSが年2億トン~3億トン必要と考えられている。CCSを社会実装するための主要課題の一つが国内でのCO2地中貯留の適地を確保することである。
CO2地中貯留の適地を拡大することを目的として、これまでに実績のある帯水層貯留に加えて、新たなにハイドレートメカニズムを利用したCO2地中貯留(「CO2ハイドレート貯留)と呼ぶ)を提案している。CO2ハイドレート貯留の遮蔽メカニズムは、泥岩等の地質構造ではなく、ハイドレートによるシール層の形成である。日本周辺海域(深海部)の温度圧力条件は、広い範囲でCO2ハイドレートを生成する条件を満たしていることが分かった。CO2ハイドレート貯留を実用化するための主要課題は、①ハイドレートシール層の遮蔽性能を定量的に評価すること、②貯留層に圧入する液体CO2の圧入性能(injectivity)を評価すること、の2つである。
本報告では、貯留層における液体CO2の圧入性能に焦点を当てる。帯水層貯留では一般的に超臨界CO2を圧入することで圧入性能を確保しているが、CO2ハイドレート貯留では、海底下の比較的浅い地層を対象とするため、当該地層内の温度圧力条件でCO2は液相となる。そこで、未固結堆積層を対象に液体CO2の圧入性能を評価するために、室内試験で相対浸透特性のデータを得てシミュレーションを行い、液体CO2を圧入した場合と超臨界CO2を圧入した場合とで、圧力応答やCO2プルームの挙動などを比較した。その結果、CO2プルームの挙動は超臨界CO2の方が速やかに移動するが、圧力応答に関してはほとんど差異がないことが分かった。ハイドレートシール層へ外力として作用する圧力応答に差がないのであれば、液体CO2で圧入することは妥当であると考えられる。
CO2地中貯留の適地を拡大することを目的として、これまでに実績のある帯水層貯留に加えて、新たなにハイドレートメカニズムを利用したCO2地中貯留(「CO2ハイドレート貯留)と呼ぶ)を提案している。CO2ハイドレート貯留の遮蔽メカニズムは、泥岩等の地質構造ではなく、ハイドレートによるシール層の形成である。日本周辺海域(深海部)の温度圧力条件は、広い範囲でCO2ハイドレートを生成する条件を満たしていることが分かった。CO2ハイドレート貯留を実用化するための主要課題は、①ハイドレートシール層の遮蔽性能を定量的に評価すること、②貯留層に圧入する液体CO2の圧入性能(injectivity)を評価すること、の2つである。
本報告では、貯留層における液体CO2の圧入性能に焦点を当てる。帯水層貯留では一般的に超臨界CO2を圧入することで圧入性能を確保しているが、CO2ハイドレート貯留では、海底下の比較的浅い地層を対象とするため、当該地層内の温度圧力条件でCO2は液相となる。そこで、未固結堆積層を対象に液体CO2の圧入性能を評価するために、室内試験で相対浸透特性のデータを得てシミュレーションを行い、液体CO2を圧入した場合と超臨界CO2を圧入した場合とで、圧力応答やCO2プルームの挙動などを比較した。その結果、CO2プルームの挙動は超臨界CO2の方が速やかに移動するが、圧力応答に関してはほとんど差異がないことが分かった。ハイドレートシール層へ外力として作用する圧力応答に差がないのであれば、液体CO2で圧入することは妥当であると考えられる。