11:00 〜 13:00
[HTT19-P02] 人工衛星の光学画像を利用した水深推定手法の実用化検討
キーワード:リモートセンシング、沿岸、SPOT6、人工衛星、光学画像、水深
沿岸の開発計画や環境保全等で環境への影響を評価するにあたり、沿岸浅水域のより詳細な海底起伏や海底被覆分類が求められている。船舶を用いたナローマルチビームや航空機やドローンによるグリーンレーザスキャナ等が開発されている。また、人工衛星の光学画像を利用した水深推定手法が提案されているが、人工衛星の観測条件、海域の状況、推定精度について不確かな部分が多い。そこで本研究は、光学衛星画像から水深を推定しナローマルチビームによる水深との比較を行い課題の整理を行った。
本研究では、2021年7月に現地調査及びSPOT6による衛星画像を撮影し、水深と海底被覆分類の推定及びその結果検証を行った。解析対象海域は伊豆半島の南東部沿岸海域のうち衛星画像で撮影した13.7km2である。現地調査海域を、解析対象海域の一部である静岡県下田市沿岸に設定し、同海域においてマルチビーム深浅測量及び水中カメラによる海底被覆状況の面的な調査を実施した。
衛星画像からの水深の推定は、既存論文手法を参考にした。まず、取得した衛星画像の各バンドDN値とその関係性にもとづき底質指標を計算し、その類似性より砂、岩、砂と岩の混合の3種類の底質に分類した。次に、現地調査の水深の一部を用いて底質毎に水深推定式を作成し水深画像を作成した。水深画像の検証は、推定に用いなかった現地調査の水深データとの相違を確認した。なお、底質分類の結果についても水中カメラ映像を元に正誤の確認を実施した。
水深画像は、水深変化を概ね再現することができた。一方で、絶対値については改良の余地のある結果となった。特に岩場において水深推定精度が悪化する傾向が見られ、水中カメラ画像の確認の結果、岩礁に生じた藻場の影響と考えられた。今後は、水濁や藻類繁茂の影響などに応じた底質分類の検討を進めて、水深推定精度を改善し、底質分類の詳細化を実現したい。
本研究では、2021年7月に現地調査及びSPOT6による衛星画像を撮影し、水深と海底被覆分類の推定及びその結果検証を行った。解析対象海域は伊豆半島の南東部沿岸海域のうち衛星画像で撮影した13.7km2である。現地調査海域を、解析対象海域の一部である静岡県下田市沿岸に設定し、同海域においてマルチビーム深浅測量及び水中カメラによる海底被覆状況の面的な調査を実施した。
衛星画像からの水深の推定は、既存論文手法を参考にした。まず、取得した衛星画像の各バンドDN値とその関係性にもとづき底質指標を計算し、その類似性より砂、岩、砂と岩の混合の3種類の底質に分類した。次に、現地調査の水深の一部を用いて底質毎に水深推定式を作成し水深画像を作成した。水深画像の検証は、推定に用いなかった現地調査の水深データとの相違を確認した。なお、底質分類の結果についても水中カメラ映像を元に正誤の確認を実施した。
水深画像は、水深変化を概ね再現することができた。一方で、絶対値については改良の余地のある結果となった。特に岩場において水深推定精度が悪化する傾向が見られ、水中カメラ画像の確認の結果、岩礁に生じた藻場の影響と考えられた。今後は、水濁や藻類繁茂の影響などに応じた底質分類の検討を進めて、水深推定精度を改善し、底質分類の詳細化を実現したい。