14:45 〜 15:00
[HTT20-05] 水中スピーカーを用いた荒川での反射法地震探査実験速報
キーワード:極浅海、環境配慮型振源、東京湾、断層、ガス
近年、海洋生態系への環境負荷の影響により、地震探査の実施が制限されるようになってきた。その結果、たとえば、東京湾北部では2000年代の後半以降、地震探査がほとんど実施されていない。さらに、東京湾に注ぐ荒川などの河川でも、1992年以降、地震探査は実施されていない。その結果、東京湾北部の沿岸域では、地質情報が著しく不足している。したがって、このような地域では、層序や断層のつながりを特定することが難しくなっている。言い換えれば、海陸境界部における地質評価を困難にしている。
このような背景から、2017年以降、我々は水深10m以浅の極浅海域でも探査可能な地震探査システムの開発に取り組んできた。振源としては、海洋生態系への環境負荷が小さい非パルス式振源を用いている。また、沿岸域での調査には小型船舶を使うことから、探査システムを小型軽量化する必要がある。そのため、振源には水中スピーカーを採用している。サイズは直径20cm、重量は4.5kg、標準入力電力は40Wである。
2021年11月、荒川河口付近から、荒川を約5km北上した地点までの測線で、反射法地震探査実験を行った。測定仕様は以下の通りである。
船舶:漁船「第三網弁丸」(3.9トン)
船速:2~3ノット
振源:水中スピーカー
発振間隔:約12秒
発振長:10秒
受振:ハイドロフォンケーブル
チャンネル数:10
チャンネル間隔:1m
サンプリング間隔:0.25ms
実験の結果、東京湾北部で発見された海底ガスが荒川河口付近まで連続して分布していることが明らかになった。加えて、海底面あるいはその近傍の地層を切っていると解釈される複数の断層が観察された。興味深いことに、それらの断層付近にもガス層を示唆する低速度アノマリが観察された。
このような背景から、2017年以降、我々は水深10m以浅の極浅海域でも探査可能な地震探査システムの開発に取り組んできた。振源としては、海洋生態系への環境負荷が小さい非パルス式振源を用いている。また、沿岸域での調査には小型船舶を使うことから、探査システムを小型軽量化する必要がある。そのため、振源には水中スピーカーを採用している。サイズは直径20cm、重量は4.5kg、標準入力電力は40Wである。
2021年11月、荒川河口付近から、荒川を約5km北上した地点までの測線で、反射法地震探査実験を行った。測定仕様は以下の通りである。
船舶:漁船「第三網弁丸」(3.9トン)
船速:2~3ノット
振源:水中スピーカー
発振間隔:約12秒
発振長:10秒
受振:ハイドロフォンケーブル
チャンネル数:10
チャンネル間隔:1m
サンプリング間隔:0.25ms
実験の結果、東京湾北部で発見された海底ガスが荒川河口付近まで連続して分布していることが明らかになった。加えて、海底面あるいはその近傍の地層を切っていると解釈される複数の断層が観察された。興味深いことに、それらの断層付近にもガス層を示唆する低速度アノマリが観察された。